こんにちは。塾長のFです。
生理学の体温の問題を作ってみました。
今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!
体温の生理的変動
問題1 体温の生理的変動について正しいのはどれか。【難易度☆☆ 】
1.腋窩温は核心温度の指標として用いられる。 2.食道温は外気温の影響を受けやすい。 3.女性では卵胞期に高くなる。 4.加齢とともに体温は上昇する。
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答え
1
1 .体温には皮膚表面などの外殻温度 と内臓などの核心温度 があります。外殻温度は外気温の影響を受けやすく、核心温度は外気温の影響を受けにくく37℃付近で一定 です。核心温度の指標として、口腔温、腋窩温 、食道温、直腸温などがあります。
2.食道温は心臓の温度の影響を強く受けるので外気温の影響を受けにくいです。
3.月経周期を示す女性では、排卵前の卵胞期に体温が低く 、排卵後の黄体期に体温が高く なります。これは黄体期に分泌されるプロゲステロンの代謝亢進作用によるものです。
4.一般的に加齢とともに体温は低下します。原因は①エネルギー代謝の低下、②筋量の減少、③褐色脂肪組織の減少、④皮膚血管反射の低下があります。
熱産生
問題2 非ふるえ産熱はどれか。【難易度☆☆ 】
1.褐色脂肪組織の活動 2.副甲状腺ホルモンの分泌増加 3.骨格筋の律動的収縮 4.交感神経の活動低下
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答え
1
体温を上昇させる熱産生 には、ふるえ産熱 と非ふるえ産熱 があります。
ふるえ産熱とは、骨格筋の律動的収縮 による熱産生です。
非ふるえ産熱とは、ふるえ産熱以外の熱産生で、下記のものがあります。
【非ふるえ産熱】 1)褐色脂肪組織 ・・・脂肪を燃焼して熱を産生する細胞の集まりです。新生児に多く、成人では減少し肩甲間部などに残存します。 2)交感神経活動 ・・・皮膚血管を収縮 させ熱放散を防ぐとともに、褐色脂肪細胞の活性化、カテコールアミンの分泌を促します。 3)代謝亢進ホルモン の分泌・・・甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、カテコールアミンなど。体温上昇作用があります。
2.副甲状腺ホルモン(パラソルモン)には熱産生作用はありません。
3.骨格筋の律動的収縮は、ふるえ産熱です。
4.交感神経の活動低下は体温が低下します。
熱放散
問題3 熱放散とそのしくみの組合せで誤っている のはどれか。【難易度☆☆ ☆ 】
1.伝 導 ― からだと接触していない物体への熱の移動 2.対 流 ― 気体や液体の移動に伴う熱の移動 3.輻 射 ― 電磁波放射による熱の移動 4.蒸 発 ― 気化熱による熱の移動
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答え
1
体温を低下させる熱放散 には伝導 、対流 、輻射 、蒸発 があります。
1 .伝導 は、からだに接触している物体 への熱の移動です。空気や水も含みます。物体が体温より低いと熱が物体へ移動します。
2.対流 は、からだに接触している気体や液体の移動 に伴う熱の移動で移動量に伴い熱放散量が増大します。具体例で言えば「同じ気温でも風が吹けば涼しい。」、「風呂で波が立てば熱い。」
3.輻射 は、からだに接触していない物体への電磁波(赤外線)放射 による熱放散です。常温環境下では熱放散の割合がもっとも高い( 約 60%) です。
4.蒸発 は、体表から水分が蒸発する際の気化熱 としての熱放散です。発汗 と不感蒸散 があります。とくに発汗は高温環境下や運動時の熱放散に大きく関与します。
汗 腺
問題4 汗腺について正しいのはどれか。【難易度☆☆ ☆ 】
1.汗腺は主に毛包に付属している。 2.エクリン腺はコリン作動性ニューロンに支配される。 3.アポクリン腺は精神性発汗に関与する。 4.腋窩からの発汗は体温調節に関与しない。
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答え
2
1.汗腺は表皮から発生したもので、全身に分布しています。毛包に付属するのは同じ表皮由来の脂腺 です。
2 .汗腺は交感神経により支配 されています。汗腺にはエクリン腺 (小汗腺)とアポクリン腺 (大汗腺)があり、エクリン腺はコリン作動性ニューロン に支配され、アポクリン腺はアドレナリン作動性ニューロンに支配 されます。
3、4.体温調節のための発汗は全てエクリン腺が担当 しており、アポクリン腺は関与しません。また手掌 と足底 のエクリン腺は体温調節に関与せず、精神性発汗に関与します。
エクリン腺 アポクリン腺 分 布 全 身 (分布しない部位はない) 外耳道、腋窩、乳輪 陰部、肛門 支配神経 交感神経 コリン作動性ニューロン 交感神経 アドレナリン作動性ニューロン 温熱性発汗 手掌、足底を除く全身 関与せず 精神性発汗 手掌、足底 関与せず
発熱の原因
問題5 発熱の主な原因はどれか。【難易度☆☆ 】
1.高温環境への暴露 2.病原菌の感染 3.ホルモンの過剰分泌 4.激しい運動
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答え
2
高体温には発熱 とうつ熱 があります。
発熱の主な原因は、感染 です。
【発熱の機序】 ① 病原体(ウイルスや細菌)の感染が発生すると、 ② マクロファージ からインターロイキン1 (内因性発熱物質)が分泌。 ③ インターロイキン1はプロスタグランジン の分泌を促す。 ④ プロスタグランジンは視床下部の体温調節中 枢へ作用して設定温度(セットポイント )を上げる。 ⑤ セットポイントが上がると(例:37℃→39℃)、熱産生(ふるえ産熱など)が活発になり体温が上昇する。
【うつ熱の機序】 ① 高温高湿な環境や運動により熱産生が活発。 ② 熱放散(発汗など)は最大限に機能するが追いつかない。 ③ (熱産生>熱放散)の状態になり、体温上昇。
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