柔道整復師国家試験対策問題【柔道整復理論・上肢 第7回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

柔整理論の上肢のオリジナル問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

肩甲骨骨折

問題1 肩甲骨骨折の骨片転位で誤っているのはどれか。【難易度

1.上角骨折   ―  上内方
2.下角骨折   ―  後内上方
3.外科頸骨折  ―  前内下方
4.肩峰骨折   ―  ほぼ転位なし

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答え 

1.上角骨折では、肩甲挙筋の牽引力により上内方へ転位します。

下角骨折では、大円筋や前鋸筋の牽引により前外上方へ転位します。

3.外科頸骨折では、上腕骨頭とともに前内下方へ転位し、肩関節前方脱臼との鑑別が重要となります。

4.肩峰骨折は、直達外力によるものが多いですが、三角筋の牽引により発生することもあります。転位は軽微です。





指骨骨折

問題2 中節骨掌側板付着部裂離骨折で正しいのはどれか。【難易度☆☆☆

1.PIP関節掌側脱臼に合併して発生する。
2.PIP関節を完全屈曲させて整復する。
3.PIP関節を90°屈曲位で固定する。
3.ボタン穴変形を続発する。

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答え 

1.指の過伸展によりPIP関節背側脱臼に合併して発生します。

.PIP関節屈曲位で掌側板を末梢へ圧迫し、PIP関節を完全屈曲させて整復します。

3.固定肢位は、MP関節90°屈曲位、PIP関節伸展位、DIP関節伸展位(安全肢位 safe position)で2~3週間固定します。

<strong>F塾長</strong>
F塾長

機能的(良)肢位と安全肢位

・機能肢位は、仮に拘縮が起きたとしても指の機能を活用できる(日常生活に困らない)肢位です。


・安全肢位は、拘縮が起こりにくい肢位とされています。

4.経時的にスワンネック変形を続発します。

MSDマニュアル 家庭版 より画像を転載 





上肢の脱臼

問題3 上肢脱臼と好発転位の組合せで正しいのはどれか。【難易度

1.胸鎖関節脱臼   ―  上 方
2.肘関節脱臼    ―  前 方
3.月状骨周囲脱臼  ―  背 側
4.末節骨脱臼    ―  掌 側

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答え 

1.胸鎖関節脱臼では、前方脱臼が最も好発します。

2.肘関節脱臼では、後方脱臼が最も好発します。

.月状骨周囲脱臼では、手部の過伸展に伴い遠位の手根骨が背側に脱臼します。

4.末節骨脱臼では、背側脱臼が好発します。





肘部の軟部組織損傷

問題4 リトルリーガー肘 little leaguer’s elbow で関節遊離体を生じるのはどれか。【難易度

1.上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎
2.上腕骨内側上顆裂離骨折
3.内側側副靱帯断裂
4.肘頭と肘頭窩間のインピンジメント

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答え 

 関節遊離体とは、剥離した骨片や軟骨のカケラが関節内に存在するものです。関節内を自由に動き回ることから関節ねずみとよばれます。

 関節遊離体が関節の隙間に嵌頓すると関節がある角度で動かなくなるロッキングが発生します。

 投球動作のコッキング初期から加速期にかけて肘関節に外反ストレスが加わります。

 その際、肘外側の上腕骨小頭と橈骨頭の衝突により上腕骨小頭部の関節軟骨や軟骨下骨が剥離するものが離断性骨軟骨炎です。





末梢神経障害

問題5 後骨間神経麻痺の際に麻痺が起こらないのはどれか。【難易度☆☆

1.長母指外転筋
2.短橈側手根伸筋
3.回外筋
4.尺側手根伸筋

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答え 

後骨間神経は橈骨神経の深枝(筋枝)です。

肘下部で橈骨神経本幹から分枝しフローセ腱弓という狭窄部を経て下記の筋を支配します。

後骨間神経の支配筋

・回外筋
・総指伸筋
・小指伸筋
・尺側手根伸筋
・示指伸筋
・長母指伸筋
・短母指伸筋
・長母指外転筋

後骨間神経麻痺の原因

1)モンテギア骨折
 脱臼した橈骨頭や骨折転位した尺骨により圧迫される。

2)ガングリオンなどの腫瘤

3)神経炎

4)オーバーユース
 ・過度の回内回外運動により狭窄部で絞扼される。

後骨間神経麻痺の症状

1)下垂指
・上記の筋群が麻痺するため、MP関節以遠の伸展が不可となる。

・一方、長・短橈側手根伸筋は麻痺を免れるため手関節の背屈は可能。

2)感覚障害はない
・後骨間神経は感覚枝(皮枝)を含まず、純運動枝(深枝、筋枝)のため。

参考文献

・南江堂「柔道整復学・理論編 改訂第5版」
・南江堂「柔道整復学・理論編 改訂第7版」

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