柔道整復師国家試験対策問題【運動学 第4回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

運動学の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

身体運動と力学 ”てこ”

問題1 第2のてこで正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.力点が支点と荷重点の間にある。
2.中殿筋による片足立ちのつりあいでみられる。
3.身体運動では効用例は少ない。
4.速さに有利な構造になっている。

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答え 

1.支点と力点の間に荷重点があります。

2.第2のてこの例
 1)腕橈骨筋による肘屈曲
 2)下腿三頭筋によるつま先立ち
 3)舌骨上筋群による下顎骨の開口運動

.四肢の関節運動では第2のてこの効用例は少なく、第3のてこの例が多いです。

4.小さい力で大きな荷重に対抗できる力の有利性が特徴です。





身体運動と力学 ”運動の法則”

問題2 運動の法則で正しい記述はどれか。【難易度☆☆

1.慣性の法則は運動の第2法則である。
2.加速度は物体の質量に正比例する。
3.運動している物体はいつかは静止する。
4.作用・反作用の力は同一線上にある。

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答え 

1.慣性の法則は運動の第1法則です。

2.加速度は物体の質量に反比例します。
 例)同じエンジンパワーなら軽い車より重い車の方がスピードが上がりにくい。

3.運動をしている物体はいつまでも等速運動を続けます。
 *但し、重力や空気との摩擦などの外的要因を除く。

第1法則(慣性の法則)
1)静止している物体は外力が働かなければ、いつまでも静止している。
2)一様の運動をしている物体はいつまでも等速運動を続ける。

物体には運動や静止状態を保とうとする性質があります。
静止状態の関節に筋力という押し・引きの力が加わることにより運動が開始されます。

第2法則(加速度の法則)
1)加速度は力の大きさに正比例する。
2)加速度は物体の質量に反比例する。
3)加速度は力の働く方向と同一方向に働く。

加速度の法則は運動方程式(F=ma)で表されます。
 a(加速度)、m(質量)、F(質量mの物体に加速度mを生じさせた力)

第3法則(作用・反作用の法則)
・物体Aが物体Bに力を作用させるとき、同時にBからもAに力を作用させている。
・この2つの力は同一作用線上で力の大きさが等しく、向きが逆
・身体での適用例として徒手筋力検査法がある。





運動器の構造と機能

問題3 筋のリバースアクションが起こるのはどれか。【難易度☆☆

1.求心性収縮
2.遠心性収縮
3.静止性収縮
4.緊張性収縮

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答え 

 筋のリバースアクションとは、筋の近位部(起始部)が遠位部(停止部)に近づくような運動のことです。
 通常の求心性収縮の停止部が起始部に近づくのと異なり、筋の逆作用ともいいます。
 代表的な例として、鉄棒の懸垂時での上腕二頭筋の収縮です。

1)等張性収縮
 a.求心性収縮
 ・筋の起始と停止が近づくように収縮し、筋長が短縮する。
 ・筋張力 > 抵抗のときに起きる。
 b.遠心性収縮
 ・筋の起始と停止が遠ざかるように収縮し、筋長が延長する。
 ・筋張力 < 抵抗のときに起こる。

2)等尺性収縮
・筋長に変化はなく、関節運動は起きない。
静止性収縮、持続性収縮、緊張性収縮と同義。

3)相動性収縮
・速い動きを伴う運動。

4)等速性収縮
・収縮速度が一定の収縮。
・器機(サイベックスマシンなど)を用いた筋力増強訓練で使われる。





運動感覚

問題4 筋の伸張を伝える神経線維はどれか。【難易度

1.α運動ニューロン
2.γ運動ニューロン
3.Ⅰa群線維
4.Ⅰb群線維

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答え 

1.α運動ニューロンは、錘外筋線維を支配する遠心性(運動)神経です。

2.γ運動ニューロンは、錘内筋線維を支配する遠心性(運動)神経です。

Ⅰa群線維は、筋の伸長を伝える求心性(感覚)神経です。

4.Ⅰb群線維は、筋の張力を伝える求心性(感覚)神経です。

 運動感覚とは、四肢や体幹の位置、動き、速度、抵抗感などのことで、深部感覚または固有受容感覚ともいいます。

 運動感覚の受容器には、筋紡錘腱紡錘などがあります。

筋紡錘

筋の伸長を受容する深部感覚受容器。

・骨格筋線維(錘外筋)と並列に位置する。

・精細な運動を行う筋では筋紡錘の分布密度が高い。

・筋紡錘内には収縮要素のある筋線維(錘内筋)があり、核袋線維と核鎖線維がある。

・核袋線維にはⅠa群線維が分布し、核鎖線維にはⅡ群線維が分布する。

γ運動ニューロンは錘内筋線維を収縮させることで筋紡錘の受容器としての感度を調節する。

・筋紡錘の中央部は収縮要素がないため、γ運動ニューロンは錘内筋線維の辺縁部に分布する。

腱紡錘(ゴルジの腱器官)

筋の張力(緊張)を受容する深部感覚受容器。

・骨格筋線維(錘外筋)と直列に位置する。

・筋の他動的伸展および等尺性収縮時に興奮する。

Ⅰb群線維が分布する。





運動発達

問題5 乳幼児の運動行動発達で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.3か月で自律歩行が消失する。
2.5か月でつかまり歩きができる。
3.2歳で3秒間程度の片足立ちができる。
4.3歳で階段を降りられる。

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答え 

 自律歩行とは、生まれて間もない乳児を抱き、足底を床に触れさすと片脚ずつ前に出してあたかも歩くような動きをみせることです。
 生後3か月ころに消失する原始反射の1つです。

2.つかまり立ちができるのは8か月頃です。

3.3歳で2秒間程度の片足立ちができます。

4.階段降りができるのは4~5歳desu.

月 齢全身運動歩 行上肢運動
1~2か月 初期起立 出現
自律歩行 出現
母指を手掌内に握りしめる
2~3か月頭位保持
(首がすわる)
  
3か月 初期起立 消失
自律歩行 消失
指吸い
3~4か月寝返り可能  
4か月  手を開いて物をつかむ
5~8か月座位保持
パピーポジション
体幹を支えられての立位保持、足踏み。 
6か月  手を伸ばしてつかみ、手から手へ持ちかえる
8か月 つかまり立ち2つの物をそれぞれ把握できる
10~12か月  つまみ動作
11か月 つかまり歩き 
1歳 独り歩き
(処女歩行)
 
1歳6か月階段昇り  
2歳 転倒しないで走れる手指の分離運動
2歳6か月  物を投げる動作
3歳片足立ち
(2秒間程度)
  
4~5歳階段降り  
5歳 スキップ
走行完成
 
6歳 成人型歩行 

参考文献

・医歯薬出版「運動学 改訂第3版」
・医歯薬出版「解剖学 改訂第2版」

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