柔道整復師国家試験対策問題【病理学 第1回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

今日は病理学です。

国家試験の病理学の出題数は、一般問題200問のなかで13問です。

内容が難しいので敬遠しがちですが、こと国家試験においては取りどころです。

勉強時間に対する効果は大きいのでガッツリ勉強しましょう!

観察解剖の種類

問題1 解剖とその目的との組合せで正しいのはどれか。【難易度

1.系統解剖  ―  事件性がない異常死の死因の究明
2.司法解剖  ―  事件性が疑われる場合の死因の特定
3.行政解剖  ―  病死した人の治療効果の確認
4.病理解剖  ―  教育の一環としての解剖学実習

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答え 

1.系統解剖とは、身体の構造、形態の観察を目的とし正常解剖ともいわれます。
 昔は人体の未知の領域を明らかにする目的で実施されていましたが、医学解剖が発展した今日ではもっぱら教育の一環として実施されています。
 その代表例が医学生や医療従事者を目指す学生対象の解剖学実習です。

司法解剖とは、事件性が疑われる場合の死因の特定が目的です。
 刑事ドラマでお馴染みですね。ちなみに塾長のおすすめは米ドラマ『BONES~骨は語る~』ですw
 他殺体だけでなく、交通事故や自殺者の遺体も対象となることがあります。

3.行政解剖とは、事件性がない異常死の死因の究明が目的です。
 遺族の承諾を必要とせず、監察医が行うのが特徴です。

4.病理解剖とは、病死した人の死因の特定、治療効果の確認が目的です。
 遺族の承諾を得て、病理医が実施します。





組織標本染色法

問題2 染色結果として赤色に染まらないのはどれか。【難易度☆☆

1.アミロイド  ―  コンゴー染色
2.膠原線維   ―  ワンギソン染色
3.真 菌    ―  グロコット染色
4.結核菌    ―  チール・ネルゼン染色

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答え 

グロコット染色法は真菌の染色法で、に染まります。

  染色法目的
ヘマトキシリン・エオジン染色一般染色青、赤
ワンギーソン染色
アザン・マロリー染色
膠原線維
レゾルシン・フクシン染色弾性線維黒褐色
鍍銀法細網線維
PAS反応中性粘液、真菌
アルシアン青染色
ムチカルミン染色
酸性粘液/粘液青/赤
グルメリウス法
フォンタナ・マッソン法
内分泌細胞
コンゴー赤染色アミロイド
コッサ法石灰
ベルリン青染色
オイルレッドO染色脂肪
グラム染色一般細菌
チール・ネルゼン染色結核菌
グロコット染色真菌




自覚症状と他覚症状

問題3 他覚症状でないのはどれか。【難易度

1.胆道結石
2.腹部膨満
3.赤沈亢進
4.高血糖

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答え 

他覚症状とは、医師や医療従事者が診察や検査の結果、客観的に捉える所見のことです。
・内臓の腫脹(肝腫、脾腫など)
・血圧、血糖値
・結石の有無
・深部反射の異常
・炎症反応(赤血球沈降速度、白血球数など)

自覚症状とは、患者自身が感じ取れる症状のことです。
・疼痛
・しびれ
・眩暈(めまい)
・悪心(吐き気)
・倦怠感
・腹部膨満感





遺伝性疾患と非遺伝性疾患の違い

問題4 非遺伝性疾患はどれか。【難易度☆☆

1.デュシェンヌ型筋ジストロフィー
2.ダウン症候群
3.血友病
4.家族性大腸ポリポージス

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答え 

混ぜるなキケン!

よくある勘違いとして「先天性疾患=遺伝性疾患」があります。

先天性と後天性、遺伝性と非遺伝性は異なる概念です。

先天性疾患とは、生まれつきの疾病で、その異常の発生が出生前にあるものをいいます。

後天性疾患とは、出生後に発生するものです。

・遺伝性疾患とは、元々親の染色体や遺伝子に変異があって、それが子に伝わり発症する疾患です。

非遺伝性疾患とは、親の染色体や遺伝子には何ら問題がなく、子に発生する疾患です。

遺伝性疾患非遺伝性疾患
先天性疾患マルファン症候群
フォン・レックリングハウゼン病
家族性大腸ポリポージス
血友病
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
先天性風疹症候群
アザラシ肢症
ダウン症
クラインフェルター症候群
ターナー症候群
脳性麻痺
後天性疾患糖尿病
本態性高血圧症
痛風
統合失調症
外因によるもの(後述)
内因によるもの(後述)

全ての疾患が上記の4つのうちのどれかにキッチリ当てはまるわけではありません。
あくまで試験用の参考に。

ダウン症候群は、親の遺伝子や染色体には異常がない場合がほとんどです。
 父親の精子と母親の卵子が受精し、受精卵が細胞分裂して成熟する過程で染色体に異常があらわれ、発症します。
 つまり、ダウン症は先天性疾患であり、非遺伝性疾患でもあります。





疾病の内因と外因

問題5 疾病の外因はどれか。【難易度

1.年 齢
2.性 別
3.栄 養
4.免 疫

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答え 3

疾病の原因には大きく分けて、内因外因があります。

内因は、生体の異常が原因となるものです。

外因は、環境因子が原因となるものです。

【内 因】
・年 齢
・性 別
・人 種
・遺 伝
・ホルモン
・免 疫

【外 因】
・栄養素の過不足
・物理的因子(外傷、温度、放射線、光線、電気、気圧)
・化学物質(酸・アルカリ、毒)、公害
・医原病
・感 染

参考文献

・医歯薬出版「病理学概論 改訂第3版」

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