こんにちは。塾長のFです。
柔整理論・上肢の色々ミックスした問題を作ってみました。
今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!
リトルリーガー肩 little leaguer’s shoulder
問題1 リトルリーガー肩で誤っているのはどれか。【難易度☆☆】
1.大結節部に圧痛を認める。
2.ソルター・ハリスⅠ型が多い。
3.腱板障害との鑑別を必要とする。
4.内後方へのすべり症を呈する。
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答え
1
リトルリーガー肩は、小学校高学年から中学生(10~15歳)にかけて少年野球の投手に多くみられる上腕骨近位の骨端線離開(疲労骨折)です。
1.圧痛は骨端軟骨の高さの側方にあります。(大結節より2~3cm低位)
2.骨端軟骨の損傷ではソルター・ハリスⅠ型と考えられます。
3.腱板障害は大結節部に圧痛があるため、鑑別点になります。
4.骨端(骨頭)が内後方に滑り、内反変形を呈します。
上腕骨骨幹部骨折
問題2 上腕骨骨幹部骨折で正しいのはどれか。【難易度☆☆☆】
1.三角筋付着部より近位の骨折では前外方凸変形となる。
2.前腕外側部の感覚障害を生じる。
3.介達外力による発生では粉砕骨折となる。
4.内反変形残存による機能障害は少ない。
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答え
4
1.三角筋付着部より近位の骨折では前内方凸変形となります。
三角筋付着部より遠位の骨折では前外方凸変形となります。
2.上腕骨骨幹部骨折では高頻度に橈骨神経が障害されます。下記の部位に感覚異常、シビレが生じます。
① 上腕外側部・・・後上腕皮神経(橈骨神経の枝)の領域
② 手背橈側部・・・橈骨神経の固有領域
*前腕外側部は筋皮神経領域です。
3.介達外力によるものは斜骨折、螺旋状骨折となります。
4.三角筋付着部より遠位の骨折では、骨折部が肘部に近いほど内反変形を後遺しやすくなりますが、機能障害はほとんどみられません。
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前腕コンパートメント症候群
問題3 前腕コンパートメント症候群で誤っているのはどれか。【難易度☆】
1.隔室内圧の上昇により血管及び神経が障害される。
2.多くは伸筋群コンパートメントで発症する。
3.罹患筋を他動的に伸長させると疼痛が増強する。
4.急性型は至急、医療機関に搬送する。
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答え
2
コンパートメント症候群は、骨折や打撲などでの出血により筋区画(コンパートメント)内の内圧が上昇し、循環障害や神経障害を呈し、機能不全に陥るものです。
1.2.前腕部は①屈筋群、②伸筋群、③橈側伸筋群の3つの区画に分かれており、ほとんどが屈筋群コンパートメントでの発生です。
3.屈筋群コンパートメントでは、手指は屈曲位をとり、手指を他動伸展する(passive stretch test)と疼痛が増強します。
4.小児の上腕骨顆上骨折などにみられる急性型の前腕コンパートメント症候群では、不可逆的な退行変性が受傷後24時間以内に出現、完成するフォルクマン拘縮が起こります。
フォルクマン拘縮は一生治らないため、ただちに専門医に託します。
月状骨周囲脱臼
問題4 月状骨周囲脱臼で誤っているのはどれか。【難易度☆☆】
1.20~50代の男性に好発する。
2.橈骨と月状骨は正常な位置関係にある。
3.小指掌側に感覚障害が現れる。
4.前腕回内位、手関節掌屈位で固定する。
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答え
3
月状骨周囲脱臼は、手関節の背屈(伸展)強制により発生し、近位列の手根骨が月状骨に対し背側に脱臼しているものです。
1.20~50歳の男性に好発します。
手をよく使う職業やスポーツを行う男性に多い傾向にあります。
2.月状骨周囲脱臼では橈骨と月状骨は正常な位置関係にあります。
月状骨脱臼では月状骨が掌側に脱臼します。
3.正中神経が圧迫されるため、感覚障害は母指球、第1~3指掌側にみられます。
4.背屈強制で発生するため、手関節掌屈位で固定します。
① 固定肢位:肘関節 90°屈曲位、前腕回内位、手関節 45°屈曲(掌屈)位
② 固定範囲:前腕近位からMP関節を含む。
手指骨折の転位
問題5 手指の骨折で遠位骨片が背屈するのはどれか。【難易度☆☆】
1.ボクサー骨折
2.基節骨基部骨折
3.ベネット骨折
4.マレットフィンガーⅡ型
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答え
2
「遠位骨片が背屈(伸展)転位 = 掌側凸変形」となります。
手指の変形と転位
骨 折 | 変 形 | 転 位 |
---|
中手骨骨折 | 背側凸 | 掌側転位 |
基節骨骨折 | 掌側凸 | 背側転位 |
中節骨骨折 浅指屈筋付着部より近位 | 背側凸 | 掌側転位 |
中節骨骨折 浅指屈筋付着部より遠位 | 掌側凸 | 背側転位 |
末節骨骨折 | 背側凸 | 掌側転位 |
F塾長
凸変形の覚え方は、近位、遠位どちらからでも
『ハイ、ショー、ハイ、ショー、ハイ』です!
1.ボクサー骨折は、中手骨頸部骨折です。
骨間筋、虫様筋の作用で背側凸変形を呈し、遠位骨片は掌屈します。
2.基節骨基部骨折では、遠位骨片は指背腱膜(指伸筋)の作用により背屈し、掌側凸変形を呈します。
3.ベネット骨折は、第1中手骨基部の掌尺側部の骨折と第1CM関節の脱臼の合併した脱臼骨折です。
遠位骨片は長母指外転筋と母指内転筋の作用により内転・屈曲(掌屈)転位します。
4.マレットフィンガーⅡ型は、末節骨の終止腱付着部の裂離骨折です。
遠位骨片は受傷外力(屈曲強制)および深指屈筋腱の作用により掌屈します。(近位骨片が背側に転位)
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