こんにちは。塾長のFです。
一般臨床医学の代謝疾患と内分泌疾患の問題を作ってみました。
今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!
糖尿病
問題1 糖尿病の症状でみられないのはどれか。【難易度☆☆】
1.体重減少
2.意識障害
3.低浸透圧尿
4.血漿pHの低下
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答え
3
糖尿病は「インスリン作用の不足による慢性的な高血糖状態を呈した疾患」です。
1.インスリンのもつ糖取り込み作用の低下により貯蓄脂肪の分解が進み、体重が減少します。
F塾長
【糖取り込み作用とは】
細胞は血漿中の糖(グルコース)を取り込み、ATPを合成します。
インスリンは糖取り込みを促進しているため、糖尿病になると細胞は糖を取り込めず、脂肪をエネルギー源として使わざるを得なくなります。
2.高度の高血糖状態となると、体のだるさ、頭痛、頻脈に続いて昏睡状態などの意識障害があらわれます。ケトアシドーシスや高度の脱水が原因です。
3.糖尿病では高浸透圧尿(高張尿)となります。
通常、尿には糖(グルコース)は含まれませんが、高血糖状態(約170㎎/dL以上)だと糖の排出が進み尿中にグルコースが検出されます。(尿がドロドロになる)
4.糖尿病では脂肪酸の燃焼に伴うケトン体(酸性物質)の増加により、血漿pHは低下(酸性になる)します。
メタボリック・シンドローム
問題2 メタボリック・シンドロームの診断項目でないのはどれか。【難易度☆】
1.ウエスト周囲長
2.血中トリグリセリド値
3.空腹時血糖値
4.血清尿酸値
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答え
4
メタボリック・シンドロームは、運動不足や肥満など生活習慣に起因する、脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化を原因とした疾患の予備軍です。
メタボリック・シンドロームの診断基準
1)内臓脂肪の蓄積・・・必須項目
・ウエスト周囲長を測定し、男性では85㎝以上、女性では90㎝以上の場合、内臓脂肪面積を100㎠とし、蓄積過剰とする。
2)上記に加え、以下の2項目以上で診断される。
① 高脂血症
・高トリグリセリド血症 ・・・ 150㎎/dL以上
かつ/または
・低HDLコレステロール血症・・・ 40㎎/dL以上
② 高血圧
・収縮期血圧 ・・・ 130㎜Hg以上
かつ/または
・拡張期血圧 ・・・ 85㎜Hg以上
③ 高血糖
・空腹時血糖 ・・・ 110㎎/dL以上
F塾長
【フライドポテトとポテチはメタボの象徴⁉】
フライドポテトは、
でんぷんが主成分、つまり糖。
油で揚げる、つまり脂肪。
塩をかける、つまり高血圧。
けどやめられない止まらない(^^;
ホルモン過剰症
問題3 内分泌亢進症はどれか。【難易度☆】
1.褐色細胞腫
2.尿崩症
3.シモンズ病
4.アジソン病
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答え
1
部 位 | ホルモン | 亢進症 | 低下症 |
---|
下垂体 | 成長ホルモン | 巨人症 先端巨大症 | 小人症 |
下垂体 | 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) | クッシング病 | |
下垂体 | 前葉ホルモン全体 | | シモンズ病 シーハン症候群 |
下垂体 | バゾプレッシン | | 尿崩症 |
甲状腺 | トリヨードサイロニン サイロキシン | バセドウ病 | 橋本病 クレチン症 |
副甲状腺 (上皮小体) | パラソルモン | 病的骨折 結石症 | テタニー |
副腎皮質 | アルドステロン | 原発性アルドステロン症 | |
副腎皮質 | コルチゾール | クッシング症候群 | |
副腎皮質 | アンドロゲン | 副腎性器症候群 | |
副腎皮質 | 副腎皮質ホルモン全体 | | アジソン病 |
副腎髄質 | カテコールアミン (アドレナリン、ノルアドレナリン) | 褐色細胞腫 | |
巨人症
問題4 下垂体性巨人症について誤っているのはどれか。【難易度☆☆】
1.原因の多くは下垂体腺腫である。
2.特有の顔貌を示す。
3.四肢先端の軟部組織が肥厚する。
4.耐糖能異常となり低血糖となる。
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答え
4
下垂体性巨人症は、小児期における成長ホルモンの過剰分泌によって骨や軟部組織の異常な発達がみられる高身長症です。
骨端線閉鎖後に過剰分泌が起こると四肢末端の骨が肥大する先端巨大症となります。
1.原因の70%は下垂体腺腫による成長ホルモンの過剰分泌です。
2.眼窩上縁や頬骨、下顎の突出、鼻、唇、下、耳垂の肥大など特徴的な顔貌となります。
3.手足の軟部組織が肥厚します。手部では手根管症候群を引き起こし、足底部の肥厚をヒールパッドといいます。
4.成長ホルモンには代謝亢進作用があり、高血糖(二次性糖尿病)、高脂血症となります。
内分泌疾患の症状
問題5 内分泌疾患と症状との組合せで正しいのはどれか。【難易度☆☆☆】
1.バセドウ病 ― 食欲低下
2.橋本病 ― 皮膚乾燥
3.クッシング症候群 ― 月経過多
4.原発性アルドステロン症 ― 色素沈着
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答え
2
1.バセドウ病では、全身の代謝が亢進した結果、食欲は亢進するが体重は減少します。
他に眼球突出、頻脈、発汗過多、手指振戦、易疲労感、高血圧、精神不安定などがあります。
2.橋本病では、全身の代謝が低下した結果、発汗が減少し皮膚が乾燥します。
他に粘液水腫、寒がり、徐脈、体重増加、便秘、脱毛、月経過多、無気力などがみられます。
3.クッシング症候群、特に副腎腫瘍が原因の場合は負のフィードバック制御により、下垂体前葉ホルモンの分泌が抑制されます。
下垂体前葉からの性腺刺激ホルモン(FSH、LH)分泌が抑制されると女性では無月経、男性では勃起障害となります。
他に満月様顔貌、中心性肥満、野牛様脂肪沈着、二次性糖尿病、多毛、高血圧、赤色皮膚線条、骨粗鬆症などがみられます。
4.原発性アルドステロン症では、高ナトリウム血症による高血圧、低カリウム血症によるアルカローシスと周期性四肢麻痺が主症状です。
色素沈着はアジソン病(副腎皮質機能低下症)でみられます。
参考文献
・医歯薬出版「一般臨床医学 改訂第3版」
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