柔道整復師国家試験対策問題【一般臨床医学 第4回】

一般臨床医学

こんにちは。塾長のFです。

一般臨床医学の疾患論、循環器疾患の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

心不全

問題1 左心不全の症状はどれか。【難易度☆☆

1.下腿浮腫
2.起坐呼吸
3.静脈怒張
4.腹 水

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答え 

 心不全とは、組織へ必要なだけの血液を送り出すことができない心機能(ポンプ機能)が低下した状態です。

 血液が停滞しうっ血を生じるのでうっ血性心不全といいます。

 左心系(左心房・左心室)に原因があるものを左心不全、右心系(右心房・右心室)に原因があるものを右心不全といいます。

左心不全の症状

・左心房、左心室、僧帽弁、大動脈弁などの障害により血液を全身へ拍出できず、循環の手前にある肺にうっ血が生じる。

看護roo!のイラストを加工して転載

1)労作時呼吸苦
2)夜間呼吸困難
3)起坐呼吸
4)ピンクの泡沫状痰
5)心臓喘鳴
6)安静時呼吸苦

右心不全の症状

・右心房、右心室、三尖弁、肺動脈弁などの障害により血液を肺に拍出できず、循環の手前にある全身の静脈系にうっ血が生じる。

看護roo!のイラストを加工して転載

1)静脈怒張
2)下肢浮腫
3)肝 腫
4)腹 水
5)食欲低下、倦怠感





心筋梗塞

問題2 急性心筋梗塞で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.前駆症状がなく発症する。
2.激しい胸痛は20分以内に収まることが多い。
3.血液検査でトロポニン上昇を認める。
4.重症例では血圧が急激に上昇する。

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答え 

 心筋梗塞は、心臓を栄養する冠状動脈が動脈硬化などにより閉塞し、不可逆的な心筋壊死をおこした病変です。

1.約半数の症例で狭心症の前駆症状(胸痛、胸やけ、胸部圧迫感など)がみられます。

2.胸痛は30分以上続くのが通常です。

.血液検査では酵素、タンパクが上昇します。
 ① トロポニンT
 ② CPK(クレアチンフォスホキナーゼ)
 ③ ミオグロビン
 ④ ミオシン軽鎖
 ⑤ AST、ALT
 ⑥ LDH(乳酸脱水酵素)

4.心筋梗塞は心筋の壊死であり、心収縮力が低下します。従って血圧が低下し、ショック(心原性)状態となることがあります。
 





ファロー四徴症

問題3 ファロー四徴症で正しいのはどれか。【難易度☆☆☆

1.大動脈狭窄
2.肺動脈騎乗
3.心室中隔欠損
4.左室肥大

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答え 

ファロー四徴症は、胎生期の発育異常でおこる心奇形で、下記の4つの徴候を合併したものです。

看護roo!のイラストを転載

1)大動脈騎乗
 ・大動脈が右心房・右心室の方へ乗り上げる。

2)心室中隔欠損
 ・大動脈が右へ転位したことにより左室と右室が連絡する。(シャント)
 ・動脈血に静脈血が混じり、皮膚や粘膜にチアノーゼを呈する。

3)肺動脈狭窄
 ・転位した大動脈により肺動脈が圧迫される。
 ・肺への血流が減少し呼吸困難に陥る。

4)右室肥大
 ・肺動脈が狭窄したことによって右心室の負荷が増大し、右室筋が肥大する。





不整脈

問題4 予後不良となる可能性の最も高い不整脈はどれか。【難易度☆☆

1.期外収縮
2.上室性頻拍
3.房室ブロック
4.心室細動

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答え 

 不整脈とは、心臓の収縮のタイミングが乱れている状態です。

 不整脈には、脈拍が速くなる頻脈、脈拍が遅くなる徐脈、予定外のタイミングで収縮が起こる期外収縮があります。

1.期外収縮は、心房又は心室の収縮のタイミングが予定よりも早く起こるもので、それぞれ上室性期外収縮、心室性期外収縮といいます。
 無症状であることが多く、放置していても問題ないとされる場合が多いです。

2.上室性頻拍は、心房が発作性に異常興奮し頻脈になる状態です。
 動機やめまいを生じますが、ほとんど自然に収まります。
 一方、心室に起こる心室性頻拍は、血圧が低下しショックを起こしたり、心室細動に移行し死に至る場合があります。

3.房室ブロックは、心房と心室の電気信号の連絡が途絶え、徐脈となる不整脈です。
 めまいや失神など起こる場合がありますが、多くの場合、治療は必要ありません。

心室細動は、心室筋が無秩序に細かく震える状態です。
 血流は途絶え、数秒で意識消失、数分のうちに多臓器不全となる致死性不整脈です。
 心臓マッサージが必要となり、AED(自動体外式除細動器)の適用となります。





慢性動脈閉塞症

問題5 慢性動脈閉塞症のフォンテイン分類で間欠性跛行が現われるのはどれか。【難易度☆☆

1.第Ⅰ度
2.第Ⅱ度
3.第Ⅲ度
4.第Ⅳ度

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答え 

 慢性動脈閉塞症には、高齢者に多い閉塞性動脈硬化症と、若者に多い閉塞性血栓血管炎(バージャー病)があります。

 いずれも下肢の動脈が閉塞し、フォンテイン分類の症状がみられます。

【フォンテイン分類】
 Ⅰ度・・・無症候(しびれ、冷感)
 Ⅱ度・・・間欠性跛行
 Ⅲ度・・・安静時疼痛
 Ⅳ度・・・虚血性潰瘍、壊疽

間欠性跛行とは、歩行中に痛みにより歩けなくなる状態のことです。休憩すると再び歩けるようになります。

参考文献

・医歯薬出版「一般臨床医学 改訂第3版」
メディカルノート

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