柔道整復師国家試験対策問題【柔道整復理論・下肢 第3回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

柔整理論の下肢の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

大腿骨近位端部骨折

問題1 大腿骨近端部骨折で偽関節をもっとも発生しやすいのはどれか。【難易度

1.中間部骨折
2.転子間骨折
3.転子貫通骨折
4.転子下骨折

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答え 

偽関節は、関節包内骨折など血行が不良な場合に発生しやすくなります。

中間部骨折は関節包内骨折のため、偽関節の発生確率は高くなります。

大腿骨近位端部骨折の部位による分類

1)関節包内骨折
 ① 骨頭骨折
 ② 頸部骨折
   ・骨頭下骨折
   ・中間部骨折

2)関節包外骨折
 ① 転子間骨折
 ② 転子部骨折
   ・転子貫通骨折
   ・大転子単独骨折
   ・小転子単独骨折
 ③ 転子下骨折





大腿骨骨幹部骨折

問題2 大腿骨骨幹部骨折の合併症で頻度の低いのはどれか。【難易度

1.出血性ショック
2.骨化性筋炎
3.脂肪塞栓症
4.阻血性壊死

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答え 

 大腿骨骨幹部は人体で最も太く固い骨の部分で、同部の骨折は交通事故や高所からの転落などによる高エネルギーの直達外力によるものが多いです。
 また軟部組織の損傷も高度で、合併症も重篤なものが多いのが特徴です。

阻血性壊死は、骨片への血行が遮断されて発生します。
 大腿骨骨幹部骨折での骨片は大量の血腫内にあるのは通常で、阻血性壊死の発生は頻度が低くなります。

大腿骨骨幹部骨折の合併症

1)出血性ショック(循環血流量減少性ショック)
・大腿動脈の損傷や大腿骨自身からの大量の出血による急性循環不全により発生します。
・血圧の低下により多臓器不全に陥り死の転帰をとることもあります。
・大腿骨骨幹部骨折でもっとも緊急性が高く、留意しなければならない合併症です。

2)脂肪塞栓症
・成人の大腿骨の骨髄は脂肪骨髄(黄色骨髄)であり、骨折により血液中に混入することにより発生します。
・脂肪滴が皮膚、肺、脳、心臓などの毛細血管で詰まる塞栓症を起こします。
・受傷後1~3日で発生します。

3)骨化性筋炎
大量の血腫の存在により、筋内に徐々に石灰化(カルシウムの沈着)が起こる現象です。
・予防には血腫形成を防ぐRICE処置が欠かせません。

4)再転位変形癒合
・重力などの荷重の影響により、斜骨折でも再転位する場合が多くなります。

5)過成長
小児の場合、骨折によって骨形成が刺激され、患側の下肢に過成長(健側より長くなる)が起こる場合があります。
・過成長を見越して、短縮転位は3cm以内であれば許容されます。





下腿骨顆部骨折

問題3 脛骨顆部骨折で誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.高所からの墜落時に脛骨長軸圧を受けて発生する。
2.内顆骨折では内反変形をきたす。
3.外顆骨折では外側側副靱帯の断裂が多い。
4.両顆骨折では逆Y字型の骨折線がみられる。

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答え 

.外顆骨折では内側側副靱帯の断裂が多くなります。

脛骨顆部骨折は、高所からの墜落時など脛骨長軸方向の圧迫力を受けて発生します。

1)外顆骨折

・脛骨長軸圧+外反強制で発生する。
・外側支持機構の破綻により外反膝変形となる。
・外反強制により内側側副靱帯の断裂を伴うことがある。
腓骨頭骨折を伴うことがある。

2)内顆骨折

・脛骨長軸圧+内反強制で発生する。
・内側支持機構の破綻により内反膝変形となる。
・内反強制により外側側副靱帯の断裂を伴うことがある。

3)両顆骨折

・脛骨長軸圧+内顆、外顆が同時に衝撃を受けたときに発生する。
・骨折線は逆Y字型または逆V字型となる。





下腿骨疲労骨折

問題4 下腿骨の疲労骨折でうさぎ跳びなど跳躍が原因で発生するものはどれか。【難易度☆☆

1.脛骨近位・中央1/3境界部骨折
2.脛骨中央・遠位1/3境界部骨折
3.腓骨近位1/3部骨折
4.腓骨遠位1/3部骨折

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答え 

下腿骨の疲労骨折は、10代のスポーツ障害の代表的疾患です。

 繰り返しの使用(オーバーユース)により発生しますが、発生機序により疾走型跳躍型に分類されます。

1)脛骨疲労骨折
① 近位・中央1/3境界部骨折[疾走型A

② 中央1/3部骨折[跳躍型
難治性になることが多い。

③ 中央・遠位1/3境界部骨折[疾走型B

2)腓骨疲労骨折
① 近位1/3部骨折[跳躍型

② 遠位1/3部骨折[疾走型

<strong>F塾長</strong>
F塾長

【F塾長のしょーもないゴロ】

けいランジャラーン、ひこジャラーン

脛骨上から疾走型(ラン)、跳躍型(ジャンプ)、疾走型(ラン)

腓骨上から跳躍型(ジャンプ)、疾走型(ラン)





足根骨骨折

問題5 足根骨骨折で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.踵骨体部骨折   ―  ナウマン徴候
2.距骨頸部骨折   ―  ズデック骨萎縮
3.舟状骨粗面骨折  ―  後脛骨筋の牽引
4.立方骨骨折    ―  短腓骨筋の牽引

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答え 

1.踵骨体部骨折では、ズデック骨萎縮、ベーラー角の減少、変形性関節症、腓骨筋腱腱鞘炎などが合併します。

2.距骨頸部骨折では、後方転位した骨片が長母指外転筋腱を圧迫、第1趾が足底側に屈曲するナウマン徴候がみられます。
 ほかに後方骨片の阻血性壊死、変形性関節症を合併します。

舟状骨粗面骨折は、足部外反強制の際の後脛骨筋の牽引による裂離骨折です。

4.立方骨骨折は、直達外力や足部外反の際に中足骨と踵骨の間で狭窄されて発生します。
 足部内反強制での短腓骨筋の牽引による裂離骨折(下駄骨折ともいう)は同筋の停止部である第5中足骨基部で発生します。

参考文献

・南江堂「柔道整復学 改訂第7版」

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