柔道整復師国家試験対策問題【運動学 第1回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

今日は運動学のてこや運動法則、運動の面や軸の問題を作ってみました。

運動学は難しく苦手な人が多いですが、しっかりコツを抑えていきましょう。

立位姿勢とは?

問題1 基本的立位姿勢でないのはどれか。【難易度

1.顔面を正面に向ける。
2.前腕を回外位にする。
3.下肢を平行にする。
4.踵を密着させる。

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答え 

立位姿勢は2種類あります。

基本姿勢
基本的立位姿勢解剖学的立位姿勢
顔 面正 面正 面
上 肢下 垂下 垂
手 掌
(前腕)
中間位回外位
下 肢平 行平 行
密 着密 着
つま先軽く開く軽く開く

違いは前腕の肢位(手掌の向き)だけですね。





運動の面と軸の関係

問題2 運動の面と軸で正しい組合せはどれか。【難易度☆☆

1.垂直軸  ―  前腕回内
2.矢状面  ―  肩関節外転
3.前頭軸  ―  頭部側屈
4.水平面  ―  膝関節屈曲

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答え 

運動面運動軸基本運動
矢状 面前頭 軸屈曲、伸展
前頭 面矢状 軸外転、内転
水平 面垂直 軸外旋、内旋

上記の運動面、運動軸は「解剖学的立位姿勢」がベースになっています。

面と軸は必ずセットで覚えましょう。

前腕の回内・回外は、水平面-垂直軸上の運動で、「内旋・外旋」に該当します。

2.肩関節の外転・内転は、前頭面-矢状軸の運動です。

3.頭部の側屈は、前頭面-矢状軸の運動で「内転・外転」に該当します。

4.膝関節の屈曲・伸展は、矢状面-前頭軸の運動です。





ベクトル量とスカラー量

問題3 ベクトル量には含まれず、スカラー量のみに含まれるのはどれか。【難易度☆☆

1.力
2.運動量
3.質 量
4.大きさ

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答え 

 ベクトルとスカラーはともに物理学における概念で、世の中にある色々な「量」をベクトルとスカラーとに分ける考え方です。

ベクトルスカラーの違いは、方向をもつかもたないかです。

 ベクトル量は、大きさ+方向を持つ量のことです。力、速度、加速度、運動量、力積など。

 スカラー量は、大きさのみを持つ量のことです。長さ(身長など)、温度、質量(体重)など。

 例えば、「身長は斜め45度の170cm」とか「体重が水平方向に60kg」なんて言い方しませんねw

ベクトル量スカラー量
含まれる概念大きさ
方向
大きさ
具体例
速 度
加速度
運動量
力 積
質 量
温 度
長 さ

【F塾長のしょーもないゴロ】

・スカラー量の覚え方

しつこいオンナには方向性がないですからー

質量、温度、長さ、とか、方向性がない のは スカラー量w





てこの種類

問題4 誤っている組合せはどれか。【難易度☆☆

1.中殿筋による片足立ちでのつりあい  ―  第1のてこ
2.ハムストリングスによる膝屈曲    ―  第2のてこ
3.下腿三頭筋によるつま先立ち     ―  第2のてこ
4.上腕二頭筋による肘屈曲       ―  第3のてこ

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答え 

第1のてこ(安定性のてこ)
【特 徴】
・安定性、シーソー
・支点が力点と荷重点の間にある。

【身体での具体例】
 1)頸部伸筋群による頭部のつり合い
 2)中殿筋による片足立ちでのつり合い
 3)上腕三頭筋による肘伸展

第2のてこ(力のてこ)
【特 徴】
・小さな力で大きな荷重に対抗できる。
・力の腕の長さが荷重の腕の長さより長い。
  *力の腕の長さ=支点から力点までの長さ
  *荷重の腕の長さ=支点から荷重点までの長さ
・荷重点が支点と力点の間にある。
・人体での例は少ない。

【身体での具体例】
 1)腕橈骨筋による肘屈曲
 2)下腿三頭筋によるつま先立ち
 3)舌骨上筋群による下顎骨の開口運動

第3のてこ(運動のてこ)
【特 徴】
・運動の速さに対して有利。力では不利。
・力の腕の長さが荷重の腕の長さより短い。
・力点が支点と荷重点の間にある。
・人体での例が多い。

【身体での具体例】
1)上腕二頭筋による肘屈曲
2)ハムストリングスによる膝屈曲(腹臥位)
3)三角筋による肩外転





運動の法則

問題5 運動の法則で誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.運動の第1法則は加速度の法則である。
2.物体は静止を保ち続けようとする性質がある。
3.加速度は力の働く方向と同一方向に働く。
4.加速度は力の大きさに比例する。

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答え 

.加速度の法則は運動の第2法則です。

第1法則(慣性の法則)
1)静止している物体は外力が働かなければ、いつまでも静止している。
2)一様の運動をしている物体はいつまでも等速運動を続ける。

物体には運動や静止状態を保とうとする性質があります。
静止状態の関節に筋力という押し・引きの力が加わることにより運動が開始されます。

第2法則(加速度の法則)
1)加速度は力の大きさに正比例する。
2)加速度は物体の質量に反比例する。
3)加速度は力の働く方向と同一方向に働く。

加速度の法則は運動方程式(F=ma)で表されます。
 a(加速度)、m(質量)、F(質量mの物体に加速度mを生じさせた力)

第3法則(作用・反作用の法則)
・物体Aが物体Bに力を作用させるとき、同時にBからもAに力を作用させている。
・この2つの力は同一作用線上で力の大きさが等しく、向きが逆
・身体での適用例として徒手筋力検査法がある。

 

参考文献

・医歯薬出版「運動学 改訂第3版」

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