こんにちは。塾長のFです。
今日は【解剖学】の感覚器系の問題を作ってみました。
皮膚の構造
問題1 表皮でもっとも深層にあるのはどれか。【難易度☆☆】
1.顆粒層
2.有棘層
3.角質層
4.淡明層
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答え
2
表皮は機械的刺激に強い重層扁平上皮で出来ています。
表層から
角質層
淡明層
顆粒層
有棘層
基底叢
で構成されています。
表皮細胞は深層の基底層と有棘層(2つ合わせて胚芽層という)で増殖し、表層に向けて移動していきます。イメージとしては、表層の角質層が刺激に際して剥がれ落ち、下から下から新しい細胞に置き換わるようなものです。
参考文献 医歯薬出版「解剖学 改定第3版」
感覚受容器
問題2 痛みや温度に対する感覚受容器はどれか。【難易度☆】
1.パチニ小体
2.メルケル円板
3.マイスネル小体
4.自由神経終末
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答え
4
感覚は、生体の内外の状態を把握する機能です。内外の刺激は全身のさまざまな受容器によって感じ取られます。
受容器は通常、1つの刺激の種類で興奮します。 受容器を興奮させる刺激を適刺激といいます。
分類 | 適刺激 | 受容器 |
体性感覚 | 皮膚感覚 | 触圧覚 | メルケル盤
マイスネル小体
パチニ小体
ルフィニ小体 |
温覚 | 自由神経終末 |
冷覚 | 自由神経終末(クラウゼ小体) |
痛覚 | 自由神経終末 |
深部感覚 | 関節の位置と運動 | 関節包のルフィニ小体 |
筋の伸長 | 筋紡錘 |
筋の張力 | 腱紡錘 |
深部痛覚 | 自由神経終末 |
内臓感覚 | 血圧 | 頸動脈洞
大動脈弓の圧受容器 |
内臓痛覚 | 自由神経終末 |
特殊感覚 | | 視覚 | 錘状体、杆状体 |
| 聴覚 | コルチ器 |
| 嗅覚 | 嗅上皮 |
| 味覚 | 味蕾 |
| 平衡覚(加速度) | 半規管
耳石器(卵形嚢、球形嚢) |
参考文献 医歯薬出版「解剖学 改訂第3版」
南江堂「生理学 改訂第4版」
眼球の構造
問題3 視覚器で正しいのはどれか。【難易度☆☆】
1.強膜は無色透明の強靭な結合組織である。
2.脈絡膜は暗褐色で血管に富む。
3.角膜には自由神経終末が分布しない。
4.網膜の内側に水晶体が接する。
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答え
2
眼球の外壁は外側から、線維膜、血管膜、網膜の3層構造になっています。
1.強膜は、線維膜の後部を占め、乳白色です。外観上の「白目」部分です。
2.脈絡膜は、血管膜の大部分を占め、毛細血管とメラニン細胞が豊富で暗褐色にみえるのでブドウ膜といわれます。
3.角膜は、線維膜の前部で血管が無く、透明です。痛み刺激の受容器である自由神経終末が密であり、痛覚が敏感となっています。眼に小さなゴミが入っても痛いのはこのせいです。
4.網膜は、眼球の外壁の最内層に位置し、その内側は硝子体に接しています。
参考文献 医歯薬出版「解剖学 改訂第3版」
通光機序
問題4 光が最初に通過する部位はどれか。【難易度☆☆☆】
1.水晶体
2.瞳 孔
3.眼 房
4.硝子体
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答え
3
眼球で光が通過する順番は、
角膜 → 眼房 → 瞳孔 → 水晶体 → 硝子体 → 網膜
眼房とは、角膜と水晶体の間の空隙で、眼房水で満たされます。虹彩により前眼房と後眼房に分けられます。
参考文献 医歯薬出版「解剖学 改訂第3版」
内耳の構造
問題5 蝸牛の内部にみられるのはどれか。【難易度☆☆】
1.鼓室階
2.球形嚢
3.平衡砂
4.膨大部稜
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答え
1
内耳は、前方より蝸牛、前庭、半規管で構成されています。
蝸牛は聴覚器、前庭、半規管は平衡感覚器です。
① 蝸 牛
・最上階は前庭階・・・外リンパ液で満たされる。
・中間階は蝸牛管・・・内リンパ液で満たされる。聴覚装置であるコルチ器がある。
・最下階は鼓室階・・・外リンパ液で満たされる。
② 前 庭
・耳石器(球形嚢と卵形嚢)がある。
・平衡斑という平衡感覚装置があり、平衡砂を含む。
③ 半規管
・それぞれが直交する3本のU字状の管。
・平衡感覚装置である膨大部がある。
参考文献 医歯薬出版「解剖学 改訂第3版」
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