柔道整復師国家試験対策問題【柔道整復理論・上肢 第8回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

柔整理論の上肢のオリジナル問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

肘周囲の骨折

問題1 骨折と骨片転位の組合せで正しいのはどれか。【難易度

1.上腕骨顆上伸展型骨折  ―  前上方
2.上腕骨外顆骨折     ―  後上方
3.上腕骨内側上顆骨折   ―  前下方
4.肘頭骨折        ―  後下方

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答え 

1.上腕骨顆上伸展型骨折の転位は後上方です。

2.上腕骨外顆骨折の転位は前方です。

上腕骨内側上顆骨折の転位は前下方です。

4.肘頭骨折の転位は後上方です。





舟状骨骨折

問題2 手舟状骨骨折で正しいのはどれか。2つ選べ。【難易度

1.遠位骨片が阻血性壊死を起こす。
2.運動痛は伸展かつ橈屈時に著明である。
3.8~12週間の固定が必要である。
4.固定は第1指のMP関節手前まで固定する。

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答え 2,3

手の舟状骨骨折は、手根骨骨折中もっとも多く、阻血性壊死や偽関節を起こすなど難治となるのが特徴です。

舟状骨骨折の分類

1)結節部骨折関節外骨折
2)遠位1/3部骨折関節外骨折
3)中央1/3部(腰部)骨折関節内骨折
4)近位1/3部骨折関節内骨折

1.舟状骨への栄養血管は遠位から入るので、阻血性壊死が起こるのは関節内骨折での近位骨片です。

.運動痛は伸展かつ橈屈時に著明となります。
  これは受傷機序と一致しています。

.固定期間は8~12週です。
  骨折部に常に剪断力が働くことや阻血性壊死など骨癒合に不利な条件が重なり、長期を要します。

4.固定肢位は、手関節軽度背屈位、軽度橈屈位、第2~5指は軽度屈曲位でMP関節手前まで。第1指のみIP関節手前まで固定します。

 





マレットフィンガー

問題3 マレットフィンガーで正しいのはどれか。【難易度

1.DIP関節屈曲障害をきたす。
2.Ⅰ型は深指屈筋腱の断裂である。
3.PIP関節を伸展位で固定する。
4.放置するとスワンネック様変形を呈する。

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答え 4

マレットフィンガーは野球など球技で突指として発生することが多いです。

マレットフィンガーの分類

Ⅰ型 終止腱(指伸筋腱)の断裂
Ⅱ型 末節骨背側基部の裂離骨折
Ⅲ型 末節骨背側関節面を含む関節内骨折

1.DIP関節の伸展障害をきたします。

2.Ⅰ型は終止腱の断裂です。

3.PIP関節90°屈曲位、DIP関節を過伸展位で固定します。但し、Ⅲ型のみDIP関節は伸展位で固定します。

.放置すると正中索が緊張し、PIP関節が過伸展位となり、側索が背側に移動するとスワンネック様変形を呈します。





第1MP関節脱臼

問題4 第1MP関節脱臼で誤っているのはどれか。【難易度

1.垂直脱臼は母指の過伸展強制により発生する。
2.水平脱臼の徒手整復は不可能である。
3.掌側脱臼ではZ字状変形を呈する。
4.IP関節を含めて固定する。

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答え 

第1MP関節脱臼の分類

1)背側脱臼
 a.垂直脱臼
 b.水平脱臼

2)掌側脱臼

1.背側脱臼(垂直脱臼、水平脱臼)は母指の過伸展(背屈)外転強制により発生します。
  掌側脱臼は直達外力により発生します。

2.水平脱臼は徒手整復不可能で観血療法の適応になります。
  垂直脱臼は牽引するとロッキングを発生する恐れがあります。
  掌側脱臼は整復困難です。

.掌側脱臼では階段状変形を呈します。
  垂直脱臼ではZ字状変形となります。

4.固定は手関節、第1指を良肢位(ボールを握る肢位)とし、前腕遠位から第1指IP関節を含め固定します。(約2週)





ベネット Bennett 損傷

問題5 ベネット Bennett 損傷について適切でないのはどれか。【難易度

1.肩関節上方関節唇の剥離がみられる。
2.投球のフォロースルー期に疼痛を訴える。
3.腋窩神経絞扼を助長する。
4.拘縮により肩関節内旋可動域が減少する。

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答え 1

ベネット損傷は野球の投手に多くみられ、投球動作により上腕三頭筋長頭腱や後方関節包に牽引力が働いて起こる骨膜反応と考えられています。

.肩関節窩後下方の骨棘がみられます。
  上方関節唇の剥離はSLAP損傷といわれます。

2.投球動作のコッキング期フォロースルー期に疼痛があります。

3.肩関節窩後下方の骨棘がクワドリラテラルスペースにおける腋窩神経絞扼を助長します。

クワドリラテラルスペースとは小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭、上腕骨内側縁で囲まれたスペース。
腋窩神経と後上腕回旋動脈がともに抜ける。

4.肩関節後方の関節包の拘縮により内旋可動域が減少します。





参考文献

・南江堂「柔道整復学・理論編 改訂第7版」

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