柔道整復師国家試験対策問題【外科学 第3回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

外科学のオリジナル問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

手 術

問題1 縫合で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.合成素材の縫合糸は異物反応が起こりにくい。
2.感染創では一次縫合が適している。
3.血管縫合には内翻縫合が用いられる。
4.アルベル・ランベール縫合は神経縫合法である。

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答え 

.手術に用いる縫合糸には、絹糸や馬の毛といった天然素材のものとナイロンやポリエステルのような合成素材のものがあります。
 どちらも異物なので組織反応が起きますが、合成素材のほうが異種タンパク質が少なく反応が小さくなります。

2.感染創では、治癒経過中に感染の可能性が少なくなった時点で創閉鎖する二次縫合が実施されます。

3.血管縫合には、血管内腔の狭窄や血栓形成防止のために外翻縫合が行われます。

4.アルベル・ランベール縫合消化管縫合法です。
 消化管縫合では漿膜同士を接着させる内翻縫合が行われます。
 





麻 酔

問題2 脊髄くも膜下麻酔の特徴で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.胸椎下部に穿刺することが多い。
2.穿刺体位は側臥位とする。
3.胸部手術に適用がある。
4.穿刺後頭痛は坐位や立位で改善する。

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答え 

脊髄くも膜下麻酔は、脊柱のくも膜下腔に麻酔薬を注入し、末梢神経を麻酔する局所麻酔法です。

1.穿刺部位
腰椎下部に穿刺することが多いです。
・脊柱管には脊髄があるが、脊髄は第1~2腰椎の高さで終わっています。そのため第3腰椎棘突起以下から刺入します。

2.穿刺体位
側臥位で前屈位。
・棘突起間を広げ、刺入しやすくするためです。

3.適用手術
・下肢の手術、虫垂炎、泌尿器系、下腹部、肛門周囲の手術。

4.脊椎穿刺後頭痛
・クモ膜下腔を満たす脳脊髄液が刺入部より流出、脳圧が低下して頭痛が発生します。
・立位や坐位(頭を上げる)と悪化します。





移植と免疫

問題3 臓器移植で正しい記述はどれか。【難易度

1.同種移植は組織適合性抗原が全て同一である。
2.1週間以内の拒絶反応を促進性拒絶反応という。
3.臓器提供は本人の意思表示が必須となっている。
4.肝臓は心停止下でも摘出が可能である。

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答え 

1.移植は下記の4種類あります。
a.自家移植
 ・同一個体内での移植。
 ・自分から自分への移植。
 ・拒否反応は起きない。

b.同系移植
 ・遺伝子が同じ2個体間での移植。
 ・一卵性双生児間の移植。
 ・組織適合性抗原が同一であるため拒否反応は起きない。

c.同種移植
 ・同じ種族同士の移植。
 ・一卵性双生児間以外のヒト対ヒトの移植。
 ・組織適合性抗原が近ければ近いほど拒否反応が少ない。

d.異種移植
 ・異なる種族同士の移植。
 ・ヒト対サル、ヒト対ブタの移植。
 ・拒否反応が起き、生着しない。

<strong>F塾長</strong>
F塾長

組織適合性抗原(HLA)とは?

 ヒトの細胞膜上にあり、移植の合否を左右するタンパク質です。「白血球の血液型」ともいわれています。

 ABOなどの赤血球の血液型よりはるかに一致率は低く、兄弟姉妹間でも1/4、非血縁関係では数万分の1の確率しかありません。

2.拒絶反応は反応出現時期により4つに分類されます。
a.超急性拒絶反応(24時間以内)
b.促進性拒絶反応(1週間以内)
c.急性拒絶反応(2~3か月以内)
d.慢性拒絶反応(3か月以降)

3.改正臓器移植法(2010年)では、本人の書面による臓器提供の意思表示がなくとも、家族の同意で脳死下での臓器提供が可能となりました。

4.各臓器の移植状況

心 臓肝 臓腎 臓 肺 膵 臓小 腸眼 球
生体間移植×
脳死後移植
心停止後移植×× × ×





出血と止血

問題4 出血、止血で正しいのはどれか。【難易度

1.動脈性出血は暗赤色を呈する。
2.静脈性出血は拍動性に噴出する。
3.毛細血管性出血は放置しても自然止血する。
4.実質性出血は緊縛止血法が適応となる。

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答え 

1.動脈性出血は、鮮紅色で拍動性に噴出します。自然止血は困難で、緊急止血操作が必要です。

2.静脈性出血は、暗赤色でじわじわ湧くように非拍動性に出血します。圧迫によって容易に止血します。

毛細血管性出血は、じわじわとにじみ出るような出血です。放置しても自然止血します。

4.実質性出血は、心臓や肝臓などの実質性臓器からの出血です。緊急外科処置が必要となります。
 緊縛止血法四肢の大動脈からの出血の場合に行います。





心肺蘇生法

問題5 心肺蘇生における胸骨圧迫心マッサージで誤っているのはどれか。【難易度

1.圧迫位置は胸骨の下半分とする。
2.左右の指を組み、肘を伸展して行う。
3.深さは5cm以内とする。
4.テンポは100~120回/分とする。

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答え 

1.圧迫位置は胸骨の下半分とします。

2.両手の指を組み、肘を真直ぐにして圧迫します。

3.深さは5cm以上圧迫します。
 小児の場合は胸郭前後径の約1/3とします。
 圧迫を緩めるときは、胸がしっかり戻るまで圧迫を解除します。

4.テンポは100~120回/分とします。

参考文献

・南江堂「外科学 改訂第4版」
・医歯薬出版「解剖学 改訂第2版」

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