柔道整復師国家試験対策問題【解剖学 第14回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。
今日は【解剖学】の問題を作ってみました。

消化器系の構造

問題1 消化器とその特徴で誤っているのはどれか。【難易度

1.空 腸  ―  腸間膜
2.回 腸  ―  パイエル板
3.盲 腸  ―  バウヒン弁
4.結 腸  ―  輪状ヒダ

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答え 

1.空腸回腸腸間膜をもちます。
 腹膜は、腹壁の内表面をおおう壁側腹膜と腹腔臓器の表面を包む臓側腹膜があり、両者の移行部を間膜といいます。すなわち間膜は腹膜が2枚重なったところです。
 間膜にはそれが包む臓器名が付いており、小腸を包む間膜を腸間膜といいます。ほかに結腸間膜、虫垂間膜、肝胃間膜(小網)などがあります。

2.小腸粘膜には全領域にわたってリンパ組織がありますが、特に回腸には集合リンパ小節があり、パイエル板といいます。

3.回腸と盲腸の移行部(回盲部)には腸内容物が逆流するのを防ぐ回盲弁バウヒン弁があります。

輪状ヒダ小腸にみられる特徴です。

【結腸の特徴】
1)結腸ヒモ・・・縦走筋が集合してできたもので、大網ヒモ、間膜ヒモ、自由ヒモの3本あります。
2)結腸膨起・・・結腸ヒモの収縮によってできる結腸外方の膨らみ。
3)半月ヒダ・・・結腸ヒモの収縮によってできる結腸内方の出っ張り。
4)腹膜垂 ・・・結腸ヒモに付着する脂肪組織横行結腸によく認められます。内臓脂肪の貯留部位です。




肝臓の構造

問題2 肝臓で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.無漿膜野は横隔面後方にある。
2.右葉は肝臓の約1/5を占める。
3.肝静脈は肝門を通る。
4.中心静脈はグリソン鞘を縦走する。

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答え 

.肝臓はほほんどが腹膜におおわれますが、一部おおわれてない部分があり無漿膜野といいます。無漿膜野は肝臓の上面横隔面)の後方にあります。
 ちなみに肝臓の下面は臓側面といい、諸臓器と接し圧痕(凹み)があります。

2.肝臓は左右不均等の形をしており、右葉が大きく約4/5を占め、左葉は小さく約1/5です。肝鎌状間膜が右葉と左葉を分けます。

3.肝門は臓側面(下面)にあり、①左右の肝管、②固有肝動脈、③門脈が出入りします。
 肝静脈は肝臓の静脈血を集める3本の静脈で、肝臓の後面から出て下大静脈にそそぎます

4.中心静脈は、肝臓の構造的単位である肝小葉の中央を縦走します。肝小葉と肝小葉の間には血管周囲線維鞘(グリソン鞘)があり、ここを①小葉間胆管、②小葉間動脈、③小葉間静脈が走行します。





喉頭軟骨

問題3 喉頭軟骨で誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.喉頭蓋軟骨は嚥下時に喉頭口を閉じる。
2.甲状軟骨は喉頭隆起をつくる。
3.披裂軟骨は左右一対ある。
4.輪状軟骨に声帯ヒダが付着する。

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答え 

1.喉頭蓋軟骨は、喉頭の最上位に位置し嚥下の際に喉頭口を閉じることで、気道内へ飲食物が流入するのを防ぎます。
 飲食物が気道内へ流入することを誤嚥といい、誤嚥があるとむせたり、誤嚥性肺炎の原因になります。

2.甲状軟骨は、もっとも大きい喉頭軟骨で、前方は突出し喉頭隆起をつくります。喉頭隆起は皮膚表面に突出し「のどぼとけ(アダムのリンゴ)」として認められます。

3.披裂軟骨は、左右一対ある三角形の軟骨です。

輪状軟骨は、喉頭の最下位(第6頸椎の高さ)にあります。声帯ヒダ甲状軟骨と披裂軟骨の間に張り、声門を構成します。





腎臓の血管

問題4 腎臓の血管で輸入細動脈を分枝するのはどれか。【難易度☆☆

1.小葉間動脈
2.区域動脈
3.葉間動脈
4.弓状動脈

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答え 

 腎門より入った腎動脈は、腎洞内で5本の区域動脈に分かれます。区域動脈の続きは腎錐体間を走行し皮質に向かう葉間動脈です。ついで弓状動脈は皮質と髄質の間を走行します。皮質に小葉間動脈を分枝し、さらに輸入細動脈を分枝します。

【腎臓の血管の走行】
腹大動脈 → 腎動脈 → 区域動脈 → 葉間動脈 → 弓状動脈 → 小葉間静脈 → 輸入細動脈 → 糸球体 → 輸出細動脈 → 毛細血管 → 小葉間静脈 → 弓状静脈 → 葉間静脈 → 腎静脈 → 下大静脈




男性生殖器の構造

問題5 誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.直精細管は精巣小葉内にある。
2.精管は精索に入り鼡径管を通る。
3.精管は精嚢の導管と合して射精管となる。
4.左右の射精管は合して尿道に開口する。

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答え 

1.精巣は精巣中隔によって精巣小葉に分けられます。精巣小葉内には曲精細管直精細管、精巣輸出管があります。精子は曲精細管で産生され、曲精細管が合流してできる直精細管へ進み、精巣輸出管から精巣を出て精巣上体へ移動します。

2.精管は、精巣動脈、精巣静脈、精巣挙筋、精管動脈、神経とともに精索に入り、精索は鼡径管を通って腹腔に入ります。

3.腹腔に入った精管は、前立腺付近で精嚢の導管と合流し射精管となります

.左右の射精管は合流することなく、左右それぞれが尿道前立腺部の精丘に開口します。

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