柔道整復師国家試験対策問題【一般臨床医学 第3回】

一般臨床医学

こんにちは。塾長のFです。

一般臨床医学の診察論の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

打 診 ~胸部~

問題1 打診上、濁音を呈するのはどれか。【難易度☆☆

1.正常肺野
2.緊張性気胸
3.肺気腫
4.肺 炎

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答え 

 打診は主に胸部と腹部の診察に用いられ、空気の含有量によって生じる音の違いで内臓器の変化を推察するものです。

 主な打診音には次の3つがあります。

打診音場 所
清 音正常肺野
濁 音実質性臓器
(心臓、肝臓など)
鼓 音中腔性臓器
(胃、腸など)

胸部の打診では、正常肺野清音が聴取されます。

【胸部の打診が濁音になる疾患】
・肺内の空気がない場合や、水腫、出血、腫瘍などがある場合
① 無気肺
② 血 胸
③ 膿 胸
④ 肺腫瘍
⑤ 肺水腫
⑥ 肺 炎(炎症性滲出液のため)

【胸部の打診が鼓音になる疾患】
・肺内に空気が貯留する疾患。
① 肺気腫
② 気管支喘息
③ 気 胸





聴 診 ~心音~

問題2 心音のⅠ音が消失するのはどれか。【難易度☆☆

1.僧帽弁狭窄症
2.僧帽弁閉鎖不全症
3.大動脈弁狭窄症
4.大動脈弁閉鎖不全症

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答え 

聴診器では心音は「ドックン、ドックン」と聞こえますが、「ドッ」がⅠ音で、「クン」がⅡ音です。

心音心臓の弁が閉じる音です。

 心房から心室へ血液流入が完了し、心室筋が収縮すると心室内圧が高まり房室弁が閉じます。このときの音がⅠ音です。

 Ⅰ音は房室弁(僧帽弁、三尖弁)が閉じる音で等容性収縮期に発生する。

 心室から血液の駆出が終わり、心室筋が弛緩すると動脈圧より心室内圧が下がり動脈弁が閉じます。このときの音がⅡ音です。

Ⅱ音は動脈弁(大動脈弁、肺動脈弁)が閉じる音で等容性弛緩期に発生する。

1.僧帽弁狭窄症は、僧帽弁が「開きにくい」=「閉じやすい」のでⅠ音が大きくなります。

僧帽弁閉鎖不全症は、僧帽弁が「閉じない」のでⅠ音が減弱または消失します。

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触 診 ~虫垂炎~

問題3 虫垂炎の圧痛点で「左右の上前腸骨棘を結ぶ線上の右1/3の点」にあるのはどれか。【難易度

1.ランツ点
2.マックバーネ点
3.キュンメル点
4.ムンロー点

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答え 

イラストは 看護roo![カンゴルー] より引用

虫垂炎では、付近の筋が収縮する筋性防御が起き、皮膚上に圧痛点として現れます。

ランツ点は、左右の上前腸骨棘を結ぶ線上の右1/3の点です。

2.マックバーネ点は、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線上の外1/3の点(右上前腸骨棘から5cm)です。

3.キュンメル点は、臍の右下方1~2㎝の点です。

4.ムンロー点は、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線が腹直筋の外縁との交叉する点です。
 または右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の中間点です。

 上記の部位を圧迫し、指を離すときに痛みが増す場合を反跳痛またはブルンベルグ徴候といい、虫垂をおおう腹膜に炎症が起きていることを示します。





生命徴候 ~高血圧~

問題4 二次性高血圧とならないのはどれか。【難易度☆☆

1.心筋梗塞
2.褐色細胞腫
3.脳圧亢進
4.糖尿病性腎症

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答え 

心筋梗塞は、心筋細胞の壊死であり心拍出量が低下します。すなわち低血圧になります。

 高血圧症とは、一般に収縮期血圧140㎜Hg以上または拡張期血圧90㎜Hg以上を指します。

 高血圧症には本態性高血圧と二次性高血圧があります。

1)本態性高血圧
 ・これといった原因となる疾患がなく高血圧になる場合。
 ・生活習慣が関与している。
 ① 塩分摂り過ぎ
 ② 粥状動脈硬化症(脂肪が血管に付着)
 ③ 運動不足
 ④ ストレス

2)二次性高血圧
 ・原因疾患があって高血圧になる場合。
 ① 腎障害
  ・腎機能が低下すると尿が排泄できず、血液量が増加する。
  ・腎不全糖尿病全身性エリテマトーデスなど。

 ② 内分泌性
  ・血圧を高めるホルモンの分泌過剰。
  ・褐色細胞腫原発性アルドステロン症クッシング症候群バセドウ病など

 ③ 神経性
  ・頭蓋腔内の内圧が上昇(脳圧亢進)すると反射性に血圧が上昇する。
  ・脳腫瘍脳出血など。





感覚検査 ~複合検査~

問題5 複合感覚の検査法でないのはどれか。【難易度

1.立体認知試験
2.単脚起立試験
3.皮膚書字試験
4.2点識別覚試験

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答え 

単脚起立試験は、平衡感覚の検査法です。
 ・閉眼して片足立ちさせ、30秒間に4回以上床に足が衝けば平衡障害と考えられます。

 複合感覚とは、複数の体性感覚(表在感覚や深部感覚)を大脳皮質で統合して起こる高度な感覚です。頭頂葉に異常があると複合感覚に障害がみられます。

以下は複合感覚の検査法です。

1.立体認知試験は、閉眼して物に触り、それが何かを認識する検査です。

3.皮膚書字試験は、手掌など皮膚に数字や記号などを書き、それを認識できるか確認する検査です。

4.2点識別覚試験は、皮膚への2点刺激を2点として識別できるか確認する検査です。
 コンパスなどを用いて2点と識別できる最短距離を測定します。
 触覚の鋭い指尖では数ミリ、触覚の鈍い背中では5~6㎝になります。

参考文献

・医歯薬出版「一般臨床医学 改訂第3版」

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