柔道整復師国家試験対策問題【解剖学　第10回】

下行性伝導路とは、上位脳の運動性情報を脳幹や脊髄に伝える伝導路です。遠心路ともいいます。

下行性伝導路には下記のものがあります。

①　錐体路・・・随意運動の伝導路
１）外側皮質脊髄路
　・大脳皮質運動野から起始し脊髄前角へ向かう経路。
　・延髄で左右交叉する。
２）前皮質脊髄路
　・大脳皮質運動野から起始し脊髄前角へ向かう経路。
　・脊髄で左右交叉する。
３）皮質核路
　・大脳皮質運動野から起始し脳幹へ向かう経路。
　・脳神経を介して外眼筋（Ⅲ、Ⅳ、Ⅵ）、咀嚼筋（Ⅴ）、表情筋（Ⅶ）などを支配する。

②　錐体外路・・・随意運動の調節に関与する伝導路
１）赤核脊髄路
２）視蓋脊髄路
３）網様体脊髄路
４）前庭脊髄路

１．脊髄視床路、２．後索路、３．三叉神経視床路はいずれも上行性伝導路です。
上行性伝導路とは、末梢神経から中枢神経へ感覚情報を伝える伝導路です。

１．大後頭神経は、脊髄神経である第２頸神経の後枝です。

２．前庭神経は、第Ⅷ脳神経である内耳神経の枝です。

３．反回神経は、第Ⅹ脳神経である迷走神経の枝です。発声に関する筋を支配します。

４．鼓索神経は、第Ⅶ脳神経である顔面神経の枝です。舌の前2/3に分布し味覚を伝えます。

神経節とは、末梢神経系内にある神経細胞体の集まりです。神経節によってはシナプスがあります。

①　感覚神経節
・脊髄神経節（体性感覚）
・三叉神経節（顔面、口腔内の体性感覚）
・膝神経節（味覚）
・らせん神経節（聴覚）

②　交感神経節
・頚神経節（顔面の平滑筋、涙腺、唾液腺へ）
・星状神経節（顔面、頸部、胸部臓器へ）
・腹腔神経節（腹部臓器へ）
・上腸間膜神経節（腹部臓器へ）
・下腸間膜神経節（骨盤臓器などへ）

③　副交感神経
・毛様体神経節（毛様体筋、瞳孔括約筋へ）
・翼口蓋神経節（涙腺へ）
・顎下神経節（顎下腺、舌下腺へ）
・耳神経節（耳下腺へ）

１．閉鎖神経は、閉鎖神経とともに閉鎖孔（閉鎖管）を通ります。

２．大腿神経は、腸腰筋とともに筋裂孔（鼠径靱帯の下）を通ります。

３．坐骨神経は、下殿神経、陰部神経、後大腿皮神経、下殿動静脈、内陰部動静脈とともに梨状筋下孔（大坐骨孔の下半部）を通ります。

４．陰部神経は、梨状筋下孔を通った後、小坐骨孔を通ります。