柔道整復師国家試験対策問題【生理学 第6回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。
今日は生理学の消化と吸収の問題を作ってみました。

消化と吸収

問題1 消化と吸収について誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.唾液分泌に体液性機序はない。
2.胃壁は食物流入により反射性に弛緩する。
3.消化管の分節運動は主に縦走筋の収縮による。
4.大腸では主に水の吸収が行われる。

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答え 

1.消化液の分泌には①自律神経によって分泌が調節される神経性機序と②ホルモンによって分泌が調節される体液性機序があります。唾液は副交感神経や交感神経によって分泌されますが、ホルモンによる分泌調節はありません。

2.胃は食物を一時的に収納する役割があります。胃壁の平滑筋は食物流入の刺激を受けて副交感神経を介して反射性に弛緩し、多くの食物を溜め込むことが出来ます。これを受け入れ弛緩といいます。

.消化管の分節運動とは、消化管にくびれをつくることにより腸内容物を撹拌、混合することです。これは消化管筋層の内層にある輪走筋の収縮によるものです。

4.食物中の栄養素は小腸までにそのほとんどが吸収され、大腸では主に水分の吸収が行われます。





消化酵素

問題2 タンパク質分解酵素はどれか。【難易度

1.アミラーゼ
2.リパーゼ
3.エラスターゼ
4.スクラーゼ

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答え 

 消化腺糖 質蛋白質脂 質
唾 液唾液αアミラーゼ
(プチアリン)
  
胃 液 ペプシン 
膵 液膵αアミラーゼ
(アミロプシン)
マルターゼ
トリプシン
キモトリプシン
エラスターゼ
カルボキシペプチダーゼ
膵リパーゼ
(ステアプシン)
小 腸
刷子縁
マルターゼ
スクラーゼ
ラクターゼ
アミノペプチダーゼ腸リパーゼ
消化酵素

(注)小腸刷子縁:小腸の消化酵素は小腸液としてでなく、小腸上皮細胞の細胞膜上にあります。






胃液の成分

問題3 胃液の成分について正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.ペプシノゲンは胃の蠕動運動により活性化される。
2.塩酸は主細胞から分泌される。
3.ガストリンは胃液に含まれる。
4.内因子はビタミンB12の吸収を助ける。

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答え 

1.タンパク質分解酵素の前駆体であるペプシノゲン主細胞から分泌され、酸性条件下でペプシンに活性化されます。

2.塩酸内因子はともに壁細胞から分泌されます。

3.G細胞から分泌されるガストリンは内分泌物質(ホルモン)のため、胃腔ではなく血管に分泌されます。

.内因子はビタミンB12と結合し、その吸収を助けます。胃の全摘出や壁細胞への自己抗体によりビタミンB12の吸収障害が起こると巨赤芽球性貧血(悪性貧血)となります。





消化管ホルモン

問題4 消化管ホルモンと作用で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.ガストリン     ―  胆汁産生促進
2.セクレチン     ―  胆嚢収縮
3.コレシストキニン  ―  膵消化酵素分泌促進
4.インクレチン    ―  胃酸分泌亢進

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答え  

消化管ホルモンとは消化管(胃や小腸)から分泌されるホルモンで、次のような作用をもちます。

消化管ホルモン分泌機序分泌部位作 用
ガストリン胃内のタンパク食物胃運動促進
胃液分泌促進
セクレチン十二指腸内の酸性食物十二指腸
小 腸
胃運動抑制
胃液分泌抑制
重炭酸塩に富む膵液分泌
肝からの胆汁分泌
コレシストキニン十二指腸内の消化産物十二指腸
小 腸
消化酵素に富む膵液分泌
胆嚢収縮
インクレチン
(GIP、GLP-1)
小腸内の消化産物十二指腸
小 腸
インスリン分泌促進
胃酸分泌抑制
グレリン空 腹成長ホルモン分泌促進
摂食促進
消化管ホルモン





肝臓の機能

問題5 肝臓の機能で誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.栄養素の代謝
2.血球の分化
3.タンパク質の合成
4.胆汁の生成

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答え 

【肝臓の機能】

a)栄養素の代謝
 ・吸収した栄養素をグリコーゲンや中性脂肪に変換し貯蔵する。
 ・グリコーゲンや中性脂肪を分解し血糖値を高める。
 ・不足分のグルコースをアミノ酸や乳酸から作る。(糖新生

b)タンパク質の合成
 ・血漿タンパク、血液凝固因子、ヘパリンを合成する。

c)細網内皮系
 ・老朽化した赤血球などを貪食する。

d)解毒作用
 ・アンモニアを無毒な尿素に転換する。
 ・ビリルビンを水溶化する。(グルクロン酸抱合

e)胆汁の生成
 ・脂質の吸収に重要な胆汁酸塩とビリルビンを含む胆汁を生成・分泌する。

.血球の分化は骨髄の機能です。

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