柔道整復師国家試験対策問題【生理学 第21回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

生理学の呼吸の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

換気のしくみ

問題1 努力性吸息時の変化で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.胸腔容積の縮小
2.肺胞内圧の陽圧化
3.横隔膜の弛緩
4.胸鎖乳突筋の収縮

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答え 

1.吸気時は胸腔内圧を下げるために肋骨の挙上や横隔膜を平低下し、胸腔容積を拡大します。

2.肺胞の周りの胸腔内圧が減少するにしたがって肺胞内圧が大気よりも陰圧になることで吸気が行われます。

3.ドーム状の横隔膜が収縮すると平らになり、胸腔容積が拡大し胸腔内圧が下がります。

4.意識(努力)して息を吸い込むときは胸鎖乳突筋、斜角筋群、大・小胸筋、脊柱起立筋などを収縮し、胸郭容積を拡大します。

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機能的残気量

問題2 1回換気量400mL、予備呼気量1,400mL、予備吸気量1,600mL、残気量1,200mLのとき、機能的残気量はいくらか。【難易度☆☆

1.2,600mL
2.2,800mL
3.3,000mL
4.3,200mL

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答え 1

 機能的残気量とは、安静時呼息のあと肺内に残る空気量のことです。

 そのうち、努力して吐き出せる量を予備呼気量努力しても吐き出せず肺内に残る量を残気量といいます。

 すなわち、機能的残気量 = 予備呼気量 + 残気量 で求められます。

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血中酸素分圧

問題3 血中酸素分圧が上昇するのはどれか。2つ選べ。【難易度☆☆

1.死腔量の増加
2.肺胞換気量の増加
3.コンプライアンスの増加
4.気道抵抗の増加

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答え 2、3 

 血液酸素分圧とは血液に含まれる酸素量(濃度)を現したものです。単位は㎜Hg。

 血中酸素分圧は血液に接している気体、すなわち肺胞気のガス分圧に比例します。

1.死腔量とは、一回換気量(1回の呼吸で出入りする空気量)のうち、肺まで届かず血液とガス交換されない空気量です。
 酸素が血液まで届かないので血中酸素分圧は低下します。

肺胞換気量とは、一回換気量のうち、肺まで届き血液とガス交換される空気量です。
 酸素が血液まで届くので血中酸素分圧は上昇します。

コンプライアンスとは、「肺のふくらみやすさ」のことです。
 肺がふくらみやすいと吸気がしやすくなり、結果として血中酸素分圧は上昇します。

4.気道抵抗は気道粘液の分泌や気管支平滑筋の収縮により増加します。
 気道抵抗が増加すると吸気がしにくくなり、血中酸素分圧は低下します。

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へーリング・ブロイエル反射

問題4 ヘーリング・ブロイエル反射の反射中枢があるのはどれか。【難易度☆☆

1.肺 胞
2.脊 髄
3.延 髄
4.視床下部

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答え 

 ヘーリング・ブロエイル反射とは「吸息から呼息に切り換えさせる反射」です。

 呼吸は意識によっても自由に行えますが、睡眠時でも途切れることなく吸息と呼息がスムーズに切り替わります。

 無意識下でも反射によって呼吸をコントロールしているのがヘーリング・ブロエイル反射です。

ヘーリング・ブロイエル反射の反射経路

1)吸息により肺胞が伸展する。

2)肺の伸展刺激をうけ伸展受容器が興奮する。

3)伸展受容器の興奮をインパルスとして発し、迷走神経が呼吸中枢に伝える。

4)呼吸中枢は延髄にあり、迷走神経の刺激によって吸息ニューロンが抑制される。
 *吸息ニューロンは吸息筋を支配する横隔神経や肋間神経を自律性に興奮させる。

5)吸息ニューロンの抑制により横隔神経や肋間神経が抑制されると横隔膜や外肋間筋が弛緩し、呼息に切り替わる。

 





血中ガス運搬

問題5 酸素と二酸化炭素の運搬で誤っているのはどれか。【難易度☆☆☆

1.肺の静脈血と肺胞の酸素交換は分圧差に従って移動する。
2.代謝が盛んな組織ではヘモグロビンの酸素親和性が増大する。
3.二酸化炭素の2/3は重炭酸イオンの形で運搬される。
4.二酸化炭素分圧は肺胞気より呼気のほうが低い。

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答え 

1.心臓から肺静脈を経て肺胞付近にきた血液の酸素分圧は40㎜Hg。一方、肺胞気の酸素分圧は100㎜Hg。ガスは分圧が高い方から低い方へ分圧差に従って移動します。これを拡散といいます。

.血液中の酸素のほとんどは赤血球中のヘモグロビンと結合して運搬されます。
 ヘモグロビンと酸素の結合度合い(親和性)は血液の状態で変化します。それを表したものが酸素解離曲線です。
 筋組織など代謝が活発な組織中に流れる血液ではヘモグロビンの酸素親和性が低下します。これにより酸素は血液から酸素を必要とする組織・細胞に移動しやすくなります。

3.酸素と違い、二酸化炭素の運搬は約67%が重炭酸イオン(HCO3)の形で運ばれます。
 残りは約25%がカルバミノ化合物として、約8%が血漿に物理的に融解して運ばれます。

4.各部位における酸素分圧、二酸化炭素分圧は下記の通りです。

吸 気呼 気肺 胞動脈血静脈血体細胞
酸素分圧(PO2156120100964040 未満
二酸化炭素分圧(PCO20.23040404646 以上
単位mmHg

参考文献

・南江堂「生理学 改訂第3版」
・南江堂「生理学 改訂第4版」

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