柔道整復師国家試験対策問題【一般臨床医学 第5回】

一般臨床医学

こんにちは。塾長のFです。

一般臨床医学の診察論の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

視診/意識状態

問題1 「意識がなく、強い刺激によってのみ覚醒する状態」はどれか。【難易度☆☆

1.傾 眠
2.昏 迷
3.昏 睡
4.せん妄

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答え 

意識状態は、そのレベルによって4段階に分類されます。

1)清 明
・意識がはっきりした状態。
・状況判断やコミュニケーションが正しく行える。

2)傾 眠
・うとうと眠っている状態。
・声かけや肩たたきなど軽い刺激で覚醒する。
・刺激がなくなると再び意識が無くなる。
・睡眠不足によるものは除く。

3)昏 迷
・傾眠が進んだ状態。
・大きい声や痛み刺激でようやく覚醒する。
・覚醒せずとも刺激に対し払いのけるような動作をする場合も含む。

4)昏 睡
・昏迷がさらに進行した状態。
・どんな刺激にも無反応で覚醒しない。

せん妄は、意識レベルの低下に加え、幻覚や妄想により意味不明な言動や人格の変化が現れます。
 高齢者に多くみられ、原因は脳の病気や薬の副作用が主です。





視診/顔面

問題2 眼裂狭小をきたすのはどれか。2つ選べ。【難易度☆☆

1.顔面神経麻痺
2.ホルネル症候群
3.バセドウ病
4.筋強直性ジストロフィー

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答え 

眼裂とは、上眼瞼(上まぶた)と下眼瞼(下まぶた)の隙間のことです。
眼裂狭小は「眼が開いていない」、「眠たそうにみえる」状態です。上眼瞼が挙上しないことで発生するので眼瞼下垂と同義になります。

1.顔面神経麻痺では、目を閉じる作用のある眼輪筋が麻痺し、閉眼困難がおきます。

3.バセドウ病は甲状腺の機能亢進症で、眼が見開き眼球突出がおきます。

眼裂狭小の原因

1)動眼神経麻痺
・上眼瞼挙筋(横紋筋)は動眼神経によって支配される。

2)ホルネル症候群
・頸胸部の交感神経幹が肺癌や大動脈瘤で圧迫されると、開眼作用をもつミュラー筋(平滑筋)が麻痺を起こす。
・瞳孔散大筋が麻痺し、縮瞳が起こる。

3)重症筋無力症
・横紋筋の筋疲労や易疲労感を主体とする自己免疫疾患。
・午後から夕方にかけて上眼瞼挙筋が疲労し、眼瞼が下垂する。
・ものが二重に見える複視があらわれる。

4)筋強直性ジストロフィー
・ミオトニア(筋強直)と筋萎縮を主とする常染色体優性遺伝病。
・外眼筋(上眼瞼挙筋含む)が筋力低下をおこし、眼瞼下垂や複視がみられる。





触 診

問題3 臓器の疼痛部位で正しいのはどれか。【難易度

1.十二指腸  ―  下腹部
2.盲 腸   ―  左腸骨部
3.膵 臓   ―  心窩部
4.脾 臓   ―  右季肋部

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答え 

看護roo!のイラストを加工し転載

腹部臓器の疼痛・触診部位

区 分臓 器
① 右季肋部肝臓、胆嚢
② 心窩部胃、十二指腸、膵臓
③ 左季肋部脾臓
④ 右側腹部腎臓
⑤ 臍 部小腸、横行結腸
⑥ 左側副部腎臓
⑦ 右腸骨部盲腸、虫垂、横行結腸、卵巣
⑧ 下腹部膀胱、子宮
⑨ 左腸骨部下行結腸、S状結腸、卵巣





反射検査

問題4 深部反射はどれか。【難易度☆☆☆

1.下顎反射
2.咽頭反射
3.挙睾筋反射
4.瞳孔反射

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答え 

 反射は体性反射と自律神経反射(内臓反射)に大別され、体性反射はさらに表在反射と深部反射に分けられます。

 深部反射とは、深部(筋や腱、関節)に加わった刺激によって筋の収縮が起きる反射です。
 具体的には「筋・腱が伸長 → 筋が収縮」といった反応が起こり、腱反射や伸張反射ともいいます。

分 類反 射
体性反射表在反射粘膜反射角膜反射
咽頭反射
皮膚反射腹壁反射
挙睾筋反射
足底反射
肛門反射
深部反射深部腱反射下顎反射
上腕二頭筋反射
上腕三頭筋反射
橈骨反射
膝蓋腱反射
回内筋反射
自律神経反射内臓反射内臓ー内臓反射圧受容器反射(血圧)
消化管反射
排便・排尿反射
体性ー内臓反射瞳孔反射
アシュネル反射
ツェルマク・ヘーリング反射
立毛筋反射
発汗反射
内臓ー体性反射ヘーリング・ブロイエル反射
筋性防御





代表的な臨床症状

問題5 症候性やせがみられるのはどれか。【難易度☆☆
1.甲状腺機能の低下
2.過度のダイエット
3.ステロイド剤の長期使用
4.インスリン作用の低下

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答え  

 やせとは骨や筋組織、脂肪組織が減少し体重が低下した状態をいいます。

 やせには、食事量の低下による単純性やせと基礎疾患の影響による症候性やせがあります。

1.甲状腺ホルモンには基礎代謝を高める作用があり、結果として酸素消費や栄養素の消費がさかんになります。
 甲状腺機能低下症(橋本病など)では代謝が低下し、体重が増加します。

2.過度のダイエットは基礎疾患のない単純性やせです。

3.ステロイド剤の長期使用では二次性クッシング症候群を起こし、体重が増加します。
 ステロイドホルモン剤は副腎皮質ホルモンの抗炎症作用、免疫抑制作用を薬として応用したものです。長期服用の副作用として中心性肥満、易感染性、消化性潰瘍、骨粗鬆症などがあります。

.インスリンは、脂肪組織においてグルコースを血液から取り込み、中性脂肪を合成する作用があります。
 インスリン作用が低下すると、貯蔵脂肪が減少するため、体重が減少します。
 すなわち糖尿病(インスリン分泌量の低下、インスリン作用の低下)ではやせます

参考文献

・医歯薬出版「一般臨床医学 改訂第3版」

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