柔道整復師国家試験対策問題【解剖学 第16回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

解剖学の神経系の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

神経系の用語

問題1 神経系について正しいのはどれか。【難易度

1.中枢神経内で神経細胞体が集合した場所を白質という。
2.中枢神経系の神経線維が集まったところを灰白質という。
3.末梢神経系の神経細胞体の集団を神経節という。
4.末梢神経が中枢神経に出入りする部位を核とよぶ。

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答え 

1.中枢神経内で神経細胞体が集合した場所を灰白質といいます。
 脳の表層にある灰白質は皮質とよばれ高次脳機能を司ります。
 脳の深部には(大脳辺縁系、大脳基底核、脳神経核など)とよばれる灰白質があり、神経線維の中継点となります。
 脊髄では深層にあり前角、側角、後角に区分されます。

2.中枢神経系の神経線維が集まったところを白質といいます。
 脳の白質は深部にあり髄質とよばれます。大脳の白質は以下の3種に分けられます。
 ① 連合線維・・・同一半球間を連結する線維(脳弓、鈎状束、上縦束など)。
 ② 交連線維・・・左右の半球を連結する線維(脳梁など)。
 ③ 投射線維・・・大脳と脳幹、脊髄を結ぶ線維(内包など)。

.末梢神経系の神経細胞体の集団を神経節といいます。
 脊髄神経節、星状神経節、毛様体神経節など。

4.末梢神経が中枢神経に出入りする部位をといいます。
 脊髄神経(末梢神経)が脊髄に出入りする部を前根、後根といい、それぞれ遠心性神経、求心性神経が通ります。(ベル・マジャンディーの法則)





脳脊髄液の分泌

問題2 脳脊髄液を分泌するのはどれか。【難易度

1.くも膜顆粒
2.脈絡叢
3.扁桃体
4.海 馬

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答え 

脳脊髄液は、脳室系とクモ膜下腔を満たす無色透明な液体です。
全体で約150mlで循環しています。

 脳脊髄液は、各脳室(側脳室、第3脳室、第4脳室)にある脈絡叢で約500ml/日、産生されます。
 脳室系を循環した後、第4脳室にある正中口(マジャンディ孔)と外側口(ルシュカ孔)よりクモ膜下腔に流出します。

 クモ膜下腔は脳と脊髄の周りにあり、脳脊髄液は脳と脊髄への衝撃を吸収する役割があります。

 脳脊髄液は大脳の正中部でクモ膜顆粒から硬膜静脈洞へ吸収されます。

脳脊髄液の流れ

 脳脊髄液が外部に漏れると頭痛、めまいなどが現れ、クモ膜下腔に出血があると赤くなったり、黄染します。





脊髄の区分

問題3 脊髄について正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.前 角  ―  自律神経節前線維
2.後 角  ―  α運動細胞
3.前 索  ―  深部感覚路
4・側 索  ―  錐体路

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答え 4

脊髄は深層の灰白質)、深層の白質)に区分されます。

【脊髄の灰白質】

① 前角・・・2種の運動神経細胞が存在します。
  大型のものをα運動細胞(ニューロン)といいます。
  小型のものをγ運動細胞(ニューロン)といいます。

② 側角・・・自律神経の節前線維細胞が存在します。
  第1胸髄~第2腰髄には交感神経節前線維があります。
  第2~第4仙髄には副交感神経節前線維があります。

③ 後角・・・感覚神経細胞が存在します。

【脊髄の白質】

① 前索側索・・・前・外側皮質脊髄路(随意運動の伝導路)、脊髄視床路(温覚、冷覚、痛覚の伝導路)などが通ります。

② 後索・・・後索路(深部感覚、触圧覚の一部)が通ります。





脳神経の支配

問題4 神経支配の組合せで誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.舌下腺   ―  舌咽神経
2.涙 腺   ―  顔面神経
3.上斜筋   ―  滑車神経
4.毛様体筋  ―  動眼神経

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答え 

.舌下腺は顔面神経支配です。

名称線維作用
嗅 神経感覚嗅覚
視 神経感覚視覚
動眼 神経運動上直筋、内側直筋、下直筋、下斜筋
上眼瞼挙筋
副交感瞳孔括約筋、毛様体筋
滑車 神経運動上斜筋
三叉 神経運動咀嚼筋(下顎神経)
感覚前頭部、顔面、眼窩、口腔
舌前2/3の知覚
外転 神経運動外側直筋
顔面 神経運動表情筋
感覚舌前2/3の味覚
副交感顎下腺、舌下腺、涙腺
内耳 神経感覚平衡覚
感覚聴覚
舌咽 神経運動咽頭筋(嚥下)
感覚味覚舌の後1/3、咽頭知覚
頚動脈小体、頚動脈洞
副交感耳下腺
X迷走 神経運動喉頭筋(発声)
感覚味覚、喉頭、胸腔、腹腔内臓器の感覚
副交感各臓器の分泌腺、平滑筋、心筋
副 神経運動胸鎖乳突筋、僧帽筋
舌下 神経運動舌筋





末梢神経の通過部位

問題5 梨状筋下孔を通過するのはどれか。【難易度

1.上殿神経
2.大腿神経
3.閉鎖神経
4.陰部神経

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答え 

1.上殿神経は、梨状筋上孔を通ります。

2.大腿神経は、筋裂孔(鼡径靭帯の下)を通り、皮枝である伏在神経は内転筋管(ハンター管)を通ります。

3.閉鎖神経は、閉鎖孔を通ります。

陰部神経は、梨状筋下孔を出た後、小坐骨孔を通って骨盤内に入ります。

寛骨後面には、大坐骨孔(大坐骨切痕、仙棘靱帯、仙結節靱帯で囲まれた空間)と、
小坐骨孔(小坐骨切痕、仙棘靱帯、仙結節靱帯で囲まれた空間)があります。

大坐骨孔はさらに梨状筋によって梨状筋上孔梨状筋下孔に分けられます。

梨状筋上孔を通るもの
 ① 上殿動脈
 ② 上殿神経
 ③ 上殿静脈

梨状筋下孔を通るもの
 ① 下殿動脈
 ② 下殿静脈
 ③ 下殿神経
 ④ 坐骨神経
 ⑤ 内陰部動脈 
 ⑥ 内陰部静脈
 ⑦ 陰部神経
 ⑧ 後大腿皮神経

小坐骨孔を通るもの
 ① 内陰部動脈
 ② 内陰部静脈
 ③ 陰部神経

参考文献

・医歯薬出版「解剖学 改訂第2版」

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