柔道整復師国家試験対策問題【柔道整復理論・上肢 第1回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

いよいよ柔道整復理論の上肢の登場です。

国家試験の分野別でいうともっとも高頻度で出題されているところです。

今日もガッツリ勉強していきましょう!

肩甲骨骨折

問題1 肩甲骨骨折で正しいのはどれか。【難易度

1.体部骨折では縦骨折が多い。
2.下角骨折では骨片は前外上方に転位する。
3.頸部骨折では解剖頸骨折が多い。
4.肩峰部骨折では転位が高度となる。

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答え 

1.体部骨折では、横骨折が多く、縦骨折はまれです。

2.下角骨折では、大円筋や前鋸筋の作用により前外上方へ転位します。

3.頸部骨折では、解剖骨折は少なく、外科頸骨折が多いです。

4.肩峰部骨折では、転位は軽度です。

肩甲骨骨折
【発生頻度】 比較的まれ
【発生機序】 直達外力が多い。
【好発年齢】 40~60歳代に多い。
【分 類】
 1)体部骨折
 2)上角・下角骨折
 3)関節窩骨折
 4)頸部骨折(解剖頸骨折、外科頸骨折)
 5)肩峰骨折
 6)烏口突起骨折





上腕骨近位部の骨折

問題2 上腕骨近位部骨折で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.解剖頸骨折は青壮年が転倒した際に発生しやすい。
2.外科頸骨折は関節血腫が著明となる。
3.小結節骨折は肩関節後方脱臼に合併する。
4.大結節単独骨折は上腕二頭筋による裂離骨折である。

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答え 

1.解剖頸骨折を含め、骨頭骨折、外科頸骨折とも小児高齢者が転倒した際の、介達外力によって発生することが多いです。

2.外科頸骨折は、関節外骨折のため関節血腫(関節包内に出血すること)は著明となりません。
ちなみに骨頭骨折と解剖頸骨折は関節内骨折のため関節血腫が著明となります。

小結節骨折は、直達外力のほか、肩関節後方脱臼の際に肩甲下筋の牽引により裂離骨折として発生します。

4.大結節骨折は、直達外力のほか、肩関節前方脱臼の際に腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋)の牽引により裂離骨折として発生します。

上腕骨近位端部骨折
【分類】
1)結節上骨折(関節内骨折)
 ・骨頭骨折
 ・解剖頸骨折

2)結節下骨折(関節外骨折)
 ・外科頸骨折
 ・大結節単独骨折
 ・小結節単独骨折
 ・結節部貫通骨折

3)骨端線離開





上腕骨顆上骨折

問題3 上腕骨顆上伸展型骨折で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.小児が肘を衝いて転倒した際に発生しやすい。
2.骨折線は前方から後上方へ向かう。
3.肘頭はヒューター線より高位にある。
4.外反肘変形が発生しやすい。

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答え 2

上腕骨顆上骨折は、小児の肘周囲もっとも高頻度に発生する(約6割)骨折です。

発生機序から伸展型屈曲型にわけられ、伸展型が多いです。(9割以上)

1.転倒した際の肢位で伸展型と屈曲型に分かれます。
・伸展型・・・肘伸展位手掌を衝いて転倒した場合
・屈曲型・・・肘屈曲位肘を衝いて転倒した場合

.骨折線
・伸展型・・・前方凸の屈曲力により、骨折線は前方から始まり後上方へ走ります。
・屈曲型・・・後方凸の屈曲力により、骨折線は後方から始まり前上方へ走ります。

3.ヒューター線は、上腕骨の内側上顆と外側上顆を結んだ線です。
正常な場合、後方からみると肘伸展位のとき肘頭はヒューター線上にあります。
顆上骨折伸展型屈曲型ではこの位置関係が変わることはありません

4.顆上骨折伸展型では遠位骨片は後上方(屈曲、短縮転位)、内転転位、内旋転位となり、内反肘変形を起こすことが多いです。





モンテギア骨折

問題4 モンテギア伸展型骨折で誤っているのはどれか。【難易度

1.尺骨骨幹部骨折と橈骨頭脱臼の合併である。
2.骨折部は前外方凸の変形を呈する。
3.先に骨折を整復し、次いで脱臼を整復する。
4.肘関節伸展位、前腕回外位で固定する。

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答え 

1.モンテギア骨折とは、尺骨骨幹部の近位から中央1/3部の骨折橈骨頭の脱臼を合併したものをいいます。

2.変形と転位の型により伸展型(前方型)屈曲型(後方型)に分けられます。
【骨折部の変形】
 ・伸展型・・・前外方凸変形
 ・屈曲型・・・後方凸変形

3.通常、脱臼骨折(骨折と脱臼の合併)では脱臼の整復を先に行い、次に骨折の整復を行いますが、モンテギア骨折では骨折の整復を先に行います

.【固定肢位】
・伸展型・・・肘関節鋭角屈曲位、前腕回外位で6~8週固定します。
・屈曲型・・・肘関節伸展位、前腕回外位で6~8週固定します。





舟状骨骨折

問題5 手の舟状骨骨折で無腐性骨壊死を起こしやすいのはどれか。【難易度☆☆

1.結節部骨折の遠位骨片
2.遠位1/3部骨折の近位骨片
3.中央1/3部骨折の遠位骨片
4.近位1/3部骨折の近位骨片

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答え 

 無腐性(阻血性)骨壊死とは、骨折に伴ってできた骨片への血液供給が遮断されて発生するものです。

無腐性骨壊死の特徴として、
1)関節内骨折で発生する。
2)近位骨片に発生する。
3)偽関節を後遺しやすい。
があります。

舟状骨骨折は骨折部位により
① 結節部骨折(関節骨折)
② 遠位1/3部骨折(関節骨折)
③ 中央1/3部骨折(関節骨折)
④ 近位1/3部骨折(関節骨折)
に分けられます。

無腐性骨壊死を起こしやすいのは、
・関節内骨折である中央1/3部骨折近位1/3部骨折近位骨片です。

参考文献

・南江堂「柔道整復学・理論編 第7版」

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