柔道整復師国家試験対策問題【衛生学・公衆衛生学 第2回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

衛生学のオリジナル問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

環境衛生

問題1 環境問題と原因物質の組合せで正しいのはどれか。【難易度

1.地球温暖化    ―  一酸化炭素
2.酸性雨      ―  硫黄酸化物(SOx)
3.オゾン層の破壊  ―  ダイオキシン
4.光化学スモッグ  ―  PCB(ポリ塩化ビフェニル)

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答え 

1.地球温暖化は、産業革命(18世紀末)以降の化石燃料の使用や森林の減少による温室効果ガスの増加が原因とされています。なかでも二酸化炭素がその大半を占めています。ほかにメタンガスや一酸化窒素なども含まれます。

JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センターより

酸性雨は、自動車や工場から大気へ排出される硫黄酸化物(SOx)窒素酸化物(NOx)が原因となります。

3.オゾン層の破壊は、冷蔵庫やエアコンの冷媒に使われるフロンガスが原因です。
 現在はモントリオール議定書によりフロンガスの製造や輸出が規制されています。

4.光化学スモッグは、二酸化窒素や炭化水素が紫外線と反応して生成される光化学オキシダントが原因となります。





生活環境・食品衛生

問題2 毒素型食中毒の特徴で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.サルモネラ菌によるものが多い。
2.感染型に比べ、潜伏期間が短い。
3.感染型に比べ、季節差が大きい。
4.加熱消毒で予防できる。

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答え 

微生物食中毒には毒素型感染型があります。

 毒素型は、菌が食品中で増殖、その際に産生された毒素による中毒です。
 潜伏期間が短く(摂食後数時間)、胃腸炎症状だけでなく神経症状(シビレや筋力低下)を合併することがあります。
 黄色ブドウ球菌が産生する毒素エンテロトキシンは熱に強い特徴があります。

感染型毒素型
原因菌・カンピロバクター
・腸炎ビブリオ
・サルモネラ菌
・ノロウイルス
・黄色ブドウ球菌
・ボツリヌス菌
・ウェルシュ菌
症 状・胃腸炎症状・胃腸炎症状
・神経症状
季節差夏に多い少ない
加熱消毒予防有 効無効な場合がある
潜伏期間長 い短 い





母子保健

問題3 母子保健の指標で誤っているのはどれか。【難易度☆☆☆

1.乳児死亡は早期新生児死亡を含む。
2.周産期脂肪は新生児死亡を含む。
3.幼児死亡は乳児死亡を含まない。
4.死産は妊娠満12週以前の流産を含まない。

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答え 

1.乳児死亡生後1年未満の死亡をいいます。
 そのうち、
 生後4週未満の死亡を新生児死亡
 生後1週未満の死亡を早期新生児死亡といいます。

周産期死亡妊娠満22週以降の死産早期新生児死亡(生後1週未満)を合わせたものです。
 新生児死亡(生後4週未満)は含みません。

3.幼児死亡は1歳~4歳の死亡です。
 乳児死亡(生後1年未満)は含みません。

4.死産妊娠満12週以後の死児の出産のことです。
 流産(妊娠満12週未満)は含みません。





学校保健

問題4 小学校の保健統計において近年(令和元年)減少傾向にあるのはどれか。【難易度

1.近視(裸眼視力1.0未満)
2.う 歯
3.アトピー性皮膚炎
4.肥満傾向児

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答え 

.子供のう歯(むし歯)の発生率は近年著しく減少しています。
 保護者意識の高まりによって歯磨き習慣が根付いたことやフッ素化合物配合の歯磨き粉が普及したことが原因と考えられています。

区 分近 視う 歯アトピー性
皮膚炎
喘 息
平成22年度29.959.63.44.2
  2730.950.83.53.9
  2831.548.93.23.7
  2932.547.13.33.9
  3034.145.33.43.5
令和元年度34.644.83.33.4
主な疾病、異常等の推移(%)
文部科学省 令和2年度学校保健統計調査より
肥満傾向児の推移
文部科学省 令和2年度学校保健統計調査より





労働衛生

問題5 職業病とその予防法で誤っているのはどれか。【難易度

1.減圧症    ―  高圧環境からの早期離脱
2.頸肩腕障害  ―  作業時間の短縮
3.珪 肺    ―  防じんマスクの着用
4.熱中症    ―  水分と電解質の補給

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答え 

減圧症(潜函病、ケーソン病)とは、潜水作業などの高圧環境下での作業後、急速に常圧に戻ることで発症するものです。
 高圧環境で血液に溶けた空気(窒素)が常圧に戻ると気泡となって塞栓症を起こします。
 症状としてベンズとよばれる関節症、血圧低下、けいれんや手足の麻痺がみられます。
 予防法はゆっくり常圧環境にもどることです。

2.頸肩腕障害とは、頸部から上肢にかけての筋疲労による障害です。いわゆる首や肩のコリ、上肢のシビレですが、手根管症候群や腱鞘炎も含まれます。
 パソコン入力などの長時間のVDT(visual display terminal)作業が主な原因です。
 予防法は労働時間の短縮適度な休憩ストレッチ等です。

3.珪肺じん肺の一種です。
 じん肺は作業で発生する粉塵を吸い込むことで起こる呼吸器疾患です。
 予防には防じんマスクが欠かせません。
 じん肺には粉塵の種類によって下記の分類があります。
① 珪 肺・・・珪酸を含む粉塵により発生する。発生源は金属鉱山、採石場、陶磁器製造など。
② 石綿肺・・・石綿(アスベスト)を含む粉塵により発生する。中皮腫などの悪性腫瘍を発生させる。発生源は古いビルの解体現場など。

4.熱中症は、高温多湿下で作業を行った際におこる障害です。
 高度の脱水や電解質の喪失によりショック症状やけいれんを発症します。
 予防法は身体を冷やす水分・電解質の補給などです。

参考文献

・南江堂「衛生学・公衆衛生学 改訂第6班」

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