こんにちは。塾長のFです。
解剖学の神経系の問題を作ってみました。
今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!
神経系の用語
問題1 神経系について正しいのはどれか。【難易度☆ ☆ 】
1.中枢神経内で神経細胞体が集合した場所を白質という。 2.中枢神経系の神経線維が集まったところを灰白質という。 3.末梢神経系の神経細胞体の集団を神経節という。 4.末梢神経が中枢神経に出入りする部位を核とよぶ。
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答え
3
1.中枢神経内で神経細胞体が集合した場所を灰白質 といいます。 脳の表層にある灰白質は皮質 とよばれ高次脳機能を司ります。 脳の深部には核 (大脳辺縁系、大脳基底核、脳神経核など)とよばれる灰白質があり、神経線維の中継点となります。 脊髄では深層 にあり前角、側角、後角に区分されます。
2.中枢神経系の神経線維が集まったところを白質 といいます。 脳の白質は深部にあり髄質 とよばれます。大脳の白質は以下の3種に分けられます。 ① 連合線維 ・・・同一半球間を連結する線維(脳弓、鈎状束、上縦束など)。 ② 交連線維 ・・・左右の半球を連結する線維(脳梁 など)。 ③ 投射線維 ・・・大脳と脳幹、脊髄を結ぶ線維(内包 など)。
3 .末梢神経系の神経細胞体の集団を神経節 といいます。 脊髄神経節、星状神経節、毛様体神経節など。
4.末梢神経が中枢神経に出入りする部位を根 といいます。 脊髄神経(末梢神経)が脊髄に出入りする部を前根、後根といい、それぞれ遠心性神経、求心性神経が通ります。(ベル・マジャンディーの法則)
脳脊髄液の分泌
問題2 脳脊髄液を分泌するのはどれか。【難易度☆ 】
1.くも膜顆粒 2.脈絡叢 3.扁桃体 4.海 馬
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答え
2
脳脊髄液 は、脳室系とクモ膜下腔を満たす 無色透明な液体です。 全体で約150mlで循環しています。
脳脊髄液は、各脳室(側脳室、第3脳室、第4脳室)にある脈絡叢 で約500ml/日、産生されます。 脳室系を循環した後、第4脳室 にある正中口(マジャンディ孔)と外側口(ルシュカ孔)よりクモ膜下腔 に流出します。
クモ膜下腔は脳と脊髄の周りにあり、脳脊髄液は脳と脊髄への衝撃を吸収する役割 があります。
脳脊髄液は大脳の正中部でクモ膜顆粒から硬膜静脈洞へ吸収 されます。
脳脊髄液の流れ
脳脊髄液が外部に漏れると頭痛、めまいなどが現れ、クモ膜下腔に出血があると赤くなったり、黄染します。
脊髄の区分
問題3 脊髄について正しいのはどれか。【難易度☆☆ 】
1.前 角 ― 自律神経節前線維 2.後 角 ― α運動細胞 3.前 索 ― 深部感覚路 4・側 索 ― 錐体路
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答え
4
脊髄は深層の灰白質 (角 )、深層の白質 (索 )に区分されます。
【脊髄の灰白質】 ① 前角 ・・・2種の運動神経細胞 が存在します。 大型のものをα運動細胞(ニューロン)といいます。 小型のものをγ運動細胞(ニューロン)といいます。 ② 側角 ・・・自律神経の節前線維細胞 が存在します。 第1胸髄~第2腰髄には交感神経節前線維があります。 第2~第4仙髄には副交感神経節前線維があります。 ③ 後角 ・・・感覚神経細胞 が存在します。
【脊髄の白質】 ① 前索 、側索 ・・・前・外側皮質脊髄路 (随意運動の伝導路)、脊髄視床路 (温覚、冷覚、痛覚の伝導路)などが通ります。 ② 後索 ・・・後索路 (深部感覚、触圧覚の一部)が通ります。
脳神経の支配
問題4 神経支配の組合せで誤っている のはどれか。【難易度☆☆ 】
1.舌下腺 ― 舌咽神経 2.涙 腺 ― 顔面神経 3.上斜筋 ― 滑車神経 4.毛様体筋 ― 動眼神経
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答え
1
1 .舌下腺は顔面神経 支配です。
№ 名称 線維 作用
Ⅰ 嗅 神経 感覚 嗅覚
Ⅱ 視 神経 感覚 視覚
Ⅲ 動眼 神経 運動 上直筋、内側直筋、下直筋、下斜筋
上眼瞼挙筋
副交感 瞳孔括約筋、毛様体筋
Ⅳ 滑車 神経 運動 上斜筋
Ⅴ 三叉 神経 運動 咀嚼筋(下顎神経)
感覚 前頭部、顔面、眼窩、口腔
舌前2/3の知覚
Ⅵ 外転 神経 運動 外側直筋
Ⅶ 顔面 神経 運動 表情筋
感覚 舌前2/3の味覚
副交感 顎下腺、舌下腺、涙腺
Ⅷ 内耳 神経 感覚 平衡覚
感覚 聴覚
Ⅸ 舌咽 神経 運動 咽頭筋(嚥下)
感覚 味覚舌の後1/3、咽頭知覚
頚動脈小体、頚動脈洞
副交感 耳下腺
X 迷走 神経 運動 喉頭筋(発声)
感覚 味覚、喉頭、胸腔、腹腔内臓器の感覚
副交感 各臓器の分泌腺、平滑筋、心筋
Ⅺ 副 神経 運動 胸鎖乳突筋、僧帽筋
Ⅻ 舌下 神経 運動 舌筋
末梢神経の通過部位
問題5 梨状筋下孔を通過するのはどれか。【難易度☆ 】
1.上殿神経 2.大腿神経 3.閉鎖神経 4.陰部神経
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答え
4
1.上殿神経 は、梨状筋上孔 を通ります。
2.大腿神経 は、筋裂孔 (鼡径靭帯の下)を通り、皮枝である伏在神経は内転筋管 (ハンター管)を通ります。
3.閉鎖神経 は、閉鎖孔 を通ります。
4 .陰部神経 は、梨状筋下孔 を出た後、小坐骨孔 を通って骨盤内に入ります。
寛骨後面には、大坐骨孔 (大坐骨切痕、仙棘靱帯、仙結節靱帯で囲まれた空間)と、小坐骨孔 (小坐骨切痕、仙棘靱帯、仙結節靱帯で囲まれた空間)があります。
大坐骨孔 はさらに梨状筋によって梨状筋上孔 と梨状筋下孔 に分けられます。
梨状筋上孔を通るもの ① 上殿動脈 ② 上殿神経 ③ 上殿静脈
梨状筋下孔を通るもの ① 下殿動脈 ② 下殿静脈 ③ 下殿神経 ④ 坐骨神経 ⑤ 内陰部動脈 ⑥ 内陰部静脈 ⑦ 陰部神経 ⑧ 後大腿皮神経
小坐骨孔を通るもの ① 内陰部動脈 ② 内陰部静脈 ③ 陰部神経
参考文献
・医歯薬出版「解剖学 改訂第2版」
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