柔道整復師国家試験対策問題【解剖学 第9回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。
今日は【解剖学】の神経系の問題を作ってみました。





ニューロンの構造

問題1 ニューロンで化学伝達物質を含むのはどれか。【難易度

1.神経細胞体
2.樹状突起
3.軸 索
4.神経終末

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答え 

 ニューロン(神経細胞)は、核や細胞内小器官が存在する神経細胞体軸索や樹状突起などの神経突起で構成されています。神経突起はいずれも細胞膜の一部が伸びたものです。

1.神経細胞体・・・基本的な細胞活動はここで行われます。核やミトコンドリア、ニッスル小体(リボソームと粗面小胞体の集合体)などがあります。細胞体には他のニューロンとの接合部があり、その興奮(インパルス)を受け取ります。

2.樹状突起・・・細胞体から複数本、木から枝分かれするように伸びたものです。細胞体と同じく、興奮を受容します。

3.軸 索・・・細胞体から1本伸びた神経突起です。神経細胞体で起こった興奮を他のニューロンに伝えます。ニューロンの軸索部分を神経線維とよび、その太い神経線維ほど興奮の伝導速度が速いです。
 また軸索を他の神経支持細胞によってできる髄鞘におおわれるものを有髄線維といい、髄鞘を持たない無髄線維より伝導速度が速くなります。

神経終末・・・軸索の末端部分にあり、他のニューロンへ興奮を伝えます(伝達)。
 神経終末にはシナプス小胞があり、なかに神経伝達物資を含みます。神経伝達物質が他のニューロンに受容されることにより次のニューロンが興奮し、情報が伝達されます。





脳室の構造

問題2 小脳の前面にあるのはどれか。【難易度☆☆

1.側脳室
2.第3脳室
3.第4脳室
4.中脳水道

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答え 

脳室系とは、脳や脊髄の内部にある腔所で、なかを脳脊髄液が満たします。

1.側脳室・・・大脳半球の内部に左右一対あります。前頭葉から後頭葉にかけてC字状を呈し、室間孔(モンロー孔)を通して第3脳室に続きます。

2.第3脳室・・・左右の間脳(視床と視床下部)の間にあります。室間孔で側脳室と、中脳水道で第4脳室と繋がります。

第4脳室・・・橋と延髄の背側小脳の腹側に位置します。橋と延髄の背側は菱形窩とよばれる陥凹があり、そこが第4脳室のになります。
 正中口(マジャンディ孔)と外側口(ルシュカ孔)によりクモ膜下腔に通じています下方脊髄中心管に移行します。

4.中脳水道・・・第3脳室と第4脳室の間にあります。中脳の中心灰白質を縦に貫きます。





大脳基底核

問題3 大脳基底核に含まれるのはどれか。【難易度

1.線条体
2.帯状回
3.海 馬
4.扁桃体

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答え 

 大脳基底核とは、大脳の髄質中にある神経細胞体の塊(灰白質)です。被殻淡蒼球尾状核視床下核などがあります。
 被殻と淡蒼球はレンズ核を構成し、被殻と尾状核は線条体とよばれます。
 大脳基底核は、筋緊張、姿勢、随意運動を調節します。

2~4.帯状回、海馬、扁桃体は大脳辺縁系に属します。 





小脳脚

問題4 小脳脚があるのはどれか。【難易度☆☆

1.脳 幹
2.大脳辺縁系
3.大脳核
4.視床下部

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答え 

小脳脚とは、小脳と脳幹を結ぶ神経線維の束です。

1)上小脳脚・・・小脳から出て中脳に向かう伝導路です。
2)中小脳脚・・・橋から小脳へ向かう伝導路です。
3)下小脳脚・・・延髄から小脳へ向かう伝導路です。





脊髄の構造

問題5 脊髄について正しいのはどれか。【難易度

1.脊椎の椎間孔を通る。
2.30の分節に区分される。
3.下端部を馬尾とよぶ。
4.白質は前索、側索、後索に区分される。

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答え 4

1.脊髄は脊椎の椎孔が上下に重なり合ってできる脊柱管の中にあります。椎間孔は脊髄神経が通ります。

2.脊髄は、頸髄(8分節)、胸髄(12分節)、腰髄(5分節)、仙髄(5分節)、尾髄(1分節)の31分節に区分されます。

3.下端部を脊髄円錐といい、第1~2腰椎の高さで終わります。脊髄から出た脊髄神経(末梢神経)は脊髄円錐より下位では束となって下行します。これを馬尾といいます。

4.脊髄の中心部には灰白質があり、前角側角後角に区分されます。脊髄の表層部には白質があり、前索側索後索に分けられます。

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