柔道整復師国家試験対策問題【柔道整復理論・頭部/体幹 第3回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

柔整理論の「頭部・体幹の損傷」の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

頸椎骨折

問題1 環椎破裂骨折(ジェファーソン Jefferson 骨折)で誤っているのはどれか。【難易度

1.頭部からの圧迫外力で発生する。
2.環椎の前弓および後弓が骨折する。
3.側塊部は内方へ転位することが多い。
4.重症例では脊髄損傷を合併する。

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答え 

1.頭頂部への打撃や高所からの転落により、環椎(第1頸椎)が後頭骨と軸椎(第2頸椎)に挟まれ、長軸圧迫力により発生します。

2.抵抗の弱い前弓後弓の4カ所で骨折します。

.外側塊部が外方へ転位します。

4.脊髄損傷の合併は比較的少ないですが、重症例では死の転帰をとる場合があります。





脊椎圧迫骨折

問題2 胸腰椎移行部椎体圧迫骨折で誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.脊椎圧迫骨折のなかでもっとも多い。
2.脊柱過伸展強制で発生する。
3.椎体前方が楔状変形をきたす。
4.棘突起の叩打痛がみられる。

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答え 

胸腰椎移行部椎体圧迫骨折は、高齢者や骨粗鬆症患者などに多く、軽微な外力や外傷なく発生するのが特徴です。

1.胸腰椎移行部は胸椎の後彎から腰椎の前彎へと移行する部位で、運動方向の違いから軸圧が加わりやすく、椎体圧迫骨折のもっとも好発する部位となります。

.尻餅をついた際などの脊柱過屈曲強制および長軸圧で発生します。

3.前方が楔状変形をきたします。

4.罹患椎の棘突起の叩打痛や圧痛がみられます。
 一方、脊髄症状や神経根症状は少ないです。





胸骨骨折

問題3 胸骨骨折で誤っているのはどれか。【難易度☆☆☆

1.交通事故によるものでは骨片間は離開する。
2.直達外力では陥没骨折がみられる。
3.背を丸めた疼痛緩和肢位をとる。
4.胸郭運動を制限する肢位で固定する。

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答え 1

.交通事故によるものでは遠位(下)骨片が近位(上)骨片の前上方に騎乗する転位がみられます。

2.直達外力によるものでは横骨折が多く、階段状の転位となり、骨片が陥没することがあります。

3.頭部を前方に屈曲し、両肩を前内方にすぼめた(背を丸めた)疼痛緩和姿勢をとります。

4.胸式呼吸で疼痛が誘発される為、胸郭運動を制限する固定を行います。





顎関節脱臼

問題4 顎関節前方脱臼で正しいのはどれか。【難易度

1.習慣性脱臼になりやすい。
2.発生頻度は比較的低い。
3.脱臼の固有症状は生じにくい。
4.骨折を合併しやすい。

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答え 

.関節窩が浅いなどの解剖学的理由から女子に多く反復性脱臼習慣性脱臼になりやすいです。

反復性脱臼
 外傷性脱臼に続発し、軽微な外力で脱臼を繰り返すもの

習慣性脱臼
 明らかな外傷の既往なく、関節弛緩や発育障害などの素因のある患者に軽微な外力で脱臼が発生するもの

2.発生頻度は肩関節、肘関節に次ぐ多さといわれています。

3.閉口不能となる弾発性固定がみられます。これは外側靱帯や咬筋、外側翼突筋による牽引によるものです。

4.骨折の合併は少ないですが、無理な整復動作は下顎骨骨折の原因となります。





むち打ち損傷

問題5 むち打ち損傷の分類と症状の組合せで正しいのはどれか。【難易度

1.頸椎捻挫型     ―  呼吸筋麻痺
2.根症状型      ―  深部反射の減弱
3.バレ・リュウー型  ―  四肢麻痺
4.脊髄症状型     ―  筋緊張の低下

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答え 

むち打ち損傷は、交通事故などによって頸椎の急激な過伸展と過屈曲を強制され発生するものです。

むち打ち損傷の分類

頸椎捻挫型

・むち打ち損傷のなかでは軽度で約80%を占める。
・椎間関節の捻挫による筋緊張の亢進がみられ「寝違え」に似る。
・上肢の脱力感やC7、C8領域に感覚異常がみられることもある。
・数か月にわたり不定愁訴が持続することもある。

根症状型

・椎間孔内外における神経根が伸展、圧迫されたもの。
・頸椎の過伸展、側屈回旋により症状が悪化する。ジャクソンテスト、スパーリングテスト陽性となる。
・分節性の感覚異常、深部反射の現減弱、筋力低下などの末梢神経障害が特徴。

頸部交感神経症候群(バレ・リュウー Barrè-Lièou症状)型

・頸部交感神経の緊張に伴う不定愁訴が特徴。
・後頸部痛、頭重感、めまい、耳鳴り、視力障害、上肢のシビレ感が自覚する。

混合型

・根症状型とバレ・リュウー型とを混合したもの。

脊髄損傷型

・頚椎症や後縦靭帯骨化症を伴う場合に発生することがある。
・症状は下肢より上肢に著明。但し四肢麻痺を呈する場合もある。
・呼吸麻痺により死の転帰をとる場合もある。




参考文献

・南江堂「柔道整復学・理論編 改訂第7版」
・医歯薬出版「解剖学 改訂第2版」

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