柔道整復師国家試験対策問題【柔道整復理論・上肢 第6回】

国試対策問題(オリジナル)

こんにちは。塾長のFです。

柔整理論の上肢の問題を作ってみました。

今日もF塾でガッツリ勉強していきましょう!

肘頭骨折

問題1 肘頭骨折の合併症で頻度の高いのはどれか。【難易度☆☆

1.母指対立運動不能
2.母指球筋萎縮
3.手関節伸展力低下
4.指の内外転障害

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答え 

肘頭骨折による神経損傷の合併は、尺骨神経損傷の頻度が高いです。

1.母指対立運動不能正中神経障害により起こります。

2.母指球筋萎縮猿手といい、正中神経障害によるものです。

3.手関節伸展力低下下垂手といい、橈骨神経障害により起こります。

尺骨神経支配である骨間筋が麻痺すると、指の内外転障害がおきます。

合併症

1)肘関節前方脱臼

2)ジェフェリー型損傷
小児に多い。
・肘外反強制が加わった際、肘頭骨折に橈骨頸部骨折を合併したもの。
・内側上顆骨折または内側側副靱帯損傷を伴うものもある。

3)尺骨神経麻痺(上位麻痺)
① 鷲手変形
 ・骨間筋と虫様筋の麻痺・萎縮により、第4、5指のMP関節過伸展、IP関節屈曲位となる。

② フロマン徴候
 ・母指内転筋の麻痺。

③ 巧緻運動障害
 ・第4、5深指屈筋、小指球筋の麻痺・萎縮によりボタンがけや箸が使いにくくなる。

④ 感覚障害
 ・手部尺側の感覚障害、シビレ。





ガレアジ骨折

問題2 ガレアジ骨折について正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.小児での発生はモンテギア骨折より多い。
2.橈骨近位部の骨折である。
3.尺骨脱臼は背側転位が多い。
4.ほとんどが徒手整復の適応となる。

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答え 

ガレアジ骨折は、橈骨骨幹部中・下1/3境界部骨折尺骨頭脱臼が合併した脱臼骨折です。

1.小児ではモンテギア骨折になる場合が多くなります。
 *尺骨骨幹部上・中1/3境界部骨折と橈骨頭脱臼の合併

2.橈骨遠位部(中・下1/3境界部)の骨折です。

.遠位橈尺関節における尺骨頭脱臼は背側脱臼の頻度が高いです。

4.不安定型の骨折であり、多くは観血療法の適応となります。





肩関節脱臼

問題3 肩関節脱臼の分類の組合せで誤っているのはどれか。【難易度☆☆

1.前方脱臼  ―  鎖骨下脱臼
2.後方脱臼  ―  肩峰下脱臼
3.下方脱臼  ―  棘下脱臼
4.上方脱臼  ―  烏口突起上脱臼

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答え 

棘下脱臼後方脱臼です。

分 類

1)前方脱臼
① 烏口下脱臼
② 鎖骨下脱臼

2)後方脱臼
① 肩峰下脱臼
② 棘下脱臼

3)下方脱臼
① 腋窩脱臼
② 関節窩脱臼

4)上方脱臼
① 烏口突起上脱臼





軟部組織損傷の検査法

問題4 検査法と軟部組織損傷の組合せで誤っているのはどれか。【難易度

1.リフトオフテスト  ―  腱板損傷
2.逆トムゼンテスト  ―  上腕骨内側上顆炎
3.アイヒホフテスト  ―  ド・ケルバン病
4.ファーレンテスト  ―  ギヨン管症候群

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答え 

1.リフトオフテスト肩甲下筋損傷(腱板損傷)の検査法です。
 *回旋筋腱板は棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋で構成されます。
【実施法】
・手背を腰部付近にあて、手背が腰部から離れなければ陽性とします。(肩内旋不能)

リフトオフテスト

2.逆トムゼンテスト上腕骨内側上顆炎(野球肘、フォアハンドテニス肘)の検査法です。
【実施法】
・患者に手関節掌屈を指示し、検者は背屈方向に抵抗を加え、内側上顆部に疼痛が誘発されれば陽性とします。

逆トムゼンテスト

3.アイヒホフテストド・ケルバン病のテスト法です。
 *ド・ケルバン病は長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の狭窄性腱鞘炎です。
【実施法】
・母指を中に握って拳をつくり、手関節を掌屈した際、橈骨茎状突起部に疼痛が誘発されれば陽性とします。

アイヒホフテスト

ファーレンテスト手根管症候群の検査法です。
 *手根管症候群は正中神経が手関節掌側の手根管で圧迫されて起こる絞扼性神経障害です。
【実施法】
・両手背を合わせ手関節を最大掌屈位とし、1分以内に手指のシビレが誘発、増強されれば陽性とします。





母指の軟部組織損傷

問題5 母指の軟部組織損傷で正しいのはどれか。【難易度☆☆

1.MP関節尺側側副靱帯損傷は母指の内転強制で起こる。
2.弾発指はMP関節掌側の腱鞘の狭窄が原因となる。
3.MP関節ロッキングでは側方動揺性がみられる。
4.ステナー損傷は種子骨の嵌入により発生する。

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答え 

1.MP関節尺側側副靱帯損傷は母指の外転強制で発生します。スキーヤー母指、ゲームキーパー母指とよばれます。

2.弾発指(ばね指)はIP関節の自動屈曲、伸展障害を起こす狭窄性腱鞘炎です。原因はMP関節掌側にある屈筋腱の腱鞘の狭窄あるいは腱の肥厚によるものです。

3.MP関節ロッキングは、過伸展強制に伴い掌側板が断裂、そこに中手骨頭が嵌頓し発生します。
 母指は過伸展位となり自動、他動ともに屈曲が不可となります。
 側方動揺性は側副靱帯損傷でみられます。

4.ステナー損傷とは、MP関節尺側側副靱帯損傷(スキーヤー母指)での断裂端が母指内転筋に乗り上げたものです。観血療法の適応となります。

参考文献

・南江堂「柔道整復学・理論編 改訂第7版」

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