こんにちは。塾長のFです。
今日は動脈とその枝についてまとめていきます。
大動脈
上行大動脈
右冠状動脈
- 上行大動脈起始部から起こり、冠状溝に入る。
- 心臓の後面で後室間枝となり、後室間溝に入る。
- 右心房、右心室の後壁、心室中隔の後1/3を栄養する。
左冠状動脈
- 上行大動脈起始部から起こり、2つの枝を分枝する。
- 左心房と右心房の前壁、左心室、心室中隔の前2/3を栄養する。
前室間枝
- 前室間溝を下行する。
回旋枝
- 冠状溝に入り心臓の後面に回る。
大動脈弓
- 第4胸椎の高さにある。
- 左気管支の上をまたぐ。
- 圧受容器(血圧)、大動脈体(酸素分圧の受容器)がある。
腕頭動脈
- 大動脈弓の第1枝
- 右総頸動脈と右鎖骨下動脈を分枝する。
左総頸動脈
- 大動脈弓の第2枝
左鎖骨下動脈
- 大動脈弓の第3枝
下行大動脈
- 大動脈弓に続いて、第4胸椎から第4腰椎の高さで総腸骨動脈に分岐する。
- 第12胸椎の高さで横隔膜の大動脈裂孔を通る。
- 横隔膜より上部を胸大動脈という。
- 横隔膜より下部を腹大動脈という。
頭部・頸部の動脈
総頸動脈
- 右総頸動脈は腕頭動脈から分枝する。
- 左総頸動脈は大動脈弓から分枝する。
- 甲状軟骨上縁の高さで内頚動脈、外頸動脈に分かれる。
- 内頸動脈と外頸動脈の分岐部付近には頸動脈洞、頸動脈小体がある。
頸動脈洞は圧受容器(血圧)
頸動脈小体は化学受容器(酸素分圧)
外頸動脈
- 頭頸部、顔面の皮膚を栄養する。(脳を栄養しない。)
上甲状腺動脈
- 甲状腺、喉頭を栄養する。
舌動脈
- 舌を栄養する。
顔面動脈
- 顎下腺を通過した後、内眼角へ向かう。
- 下顎角の前方2cmで拍動を触れる。
上行咽頭動脈
後耳介動脈
胸鎖乳突筋動脈
後頭動脈
- 外後頭隆起の外側で拍動を触れる。
顎動脈
- 外頸動脈の終枝(これ以上分岐しない。)
中硬膜動脈
- 顎動脈から出て棘孔を通って頭蓋内に入り硬膜に分布する。
- 転倒したときに側頭骨を骨折すると、この動脈が破綻し硬膜外血腫を起こす。
浅側頭動脈
- 外耳孔の前上部(コメカミ)で拍動を触れる。
- 外頸動脈の終枝(これ以上分岐しない。)
内頸動脈
- 脳、前頭部、眼窩に分布する。
- 頸動脈管(側頭骨)を通り頭蓋内に入り、脳の90%を栄養する。
眼動脈
- 視神経管(蝶形骨)を通り、眼球、涙腺、眼筋を栄養する。
網膜中心動脈
- 眼科診察などで走行が確認できる。(動脈では唯一)
前大脳動脈
- 大脳半球内側部の前半部分を栄養する。
中大脳動脈
- 内頚動脈の最大枝
- 外側溝を通り、大脳半球外側部の大部分を栄養する。
レンズ核線条体動脈
- 別名「脳出血動脈」
- 高血圧により破綻しやすい。
- 錐体路(随意運動の伝導路)の経路である内包に分布する為、片麻痺(半身不随)を起こしやすい。
錐体路は下位の延髄で左右交差する為、右のレンズ核線条体動脈が破綻すると左片麻痺を起こす。
ウィリスの脳動脈輪
- 脳を栄養する内頸動脈の枝と椎骨動脈の枝が吻合し、脳底で輪を作っている。
前大脳動脈
- 内頸動脈の枝。
- 左右の前大脳動脈が前交通動脈により連絡している。
中大脳動脈
- 内頸動脈の枝。
- 後交通動脈により後大脳動脈と連絡している。
後大脳動脈
- 脳底動脈の枝。
- 後交通動脈により中大脳動脈と連絡している。
- 大脳半球内側部の後半部分を栄養する。
前交通動脈
- 左右の前大脳動脈を連絡する。
後交通動脈
- 中大脳動脈と後大脳動脈を連絡する。
鎖骨下動脈
- 右の鎖骨下動脈は腕頭動脈から分枝する。
- 左の鎖骨下動脈は大動脈弓から分枝する。
- 斜角筋隙を通過してから第1肋骨外縁で腋窩動脈となり、上肢を栄養する。
斜角筋隙とは、第1肋骨を底辺とした前斜角筋と中斜角筋で出来た三角形の間隙のこと。
鎖骨下動脈の枝のゴロ「ツナコロッケ」は有名ですね!
椎骨動脈
- 第6から第1頸椎の横突孔をつらぬき上行する。(第7頸椎は通らない)
- 大後頭孔から頭蓋腔に入る。
- 左右の椎骨動脈が合流して脳底動脈となる。
- 脊髄、延髄、橋、中脳、小脳に分布する。(脳の10%を栄養する。)
内胸動脈
- 前胸壁を下行し、横隔膜を貫いて上腹壁動脈となる。
- 外腸骨動脈の枝の下腹壁動脈と吻合する。
- 大動脈の側副循環路として重要。
甲状頸動脈
- 甲状腺、食道、喉頭、気管、鎖骨付近の筋を栄養する。
肋頸動脈
- 深頸動脈
- 最上肋間動脈・・・第1、第2肋間を走行する。
上肢の動脈
腋窩動脈
- 鎖骨下動脈の続き。
- 第1肋骨外縁から始まり、大胸筋停止腱(大結節稜)の下で上腕動脈に移行する。
- 腋窩で拍動を触れる。
最上胸動脈
- 小胸筋、前鋸筋を栄養する。
胸肩峰動脈
- 肩峰、大胸筋、三角筋を栄養する。
外側胸動脈
- 乳腺、前鋸筋を栄養する。
肩甲下動脈
- 腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)、三角筋、広背筋、大円筋、前鋸筋を栄養する。
上腕回旋動脈
- 前後の上腕回旋動脈が上腕骨外科頸を周回する。
- 上腕骨頭、三角筋を栄養する。
上腕動脈
- 腋窩動脈の続き。
- 上腕二頭筋の内側縁を正中神経と伴行する。
- 肘窩で橈骨動脈と尺骨動脈に分岐する。
- 内側二頭筋溝(上腕二頭筋内側縁と上腕三頭筋の間)と肘窩で拍動を触れる。
上腕深動脈
- 橈骨神経とともに橈骨神経溝(上腕の後面)を下行する。
橈骨動脈
- 肘窩で上腕動脈から分岐後、前腕の橈側を下行する。
- 手部で尺骨動脈の枝と吻合する。
- 橈側手根屈筋腱と腕橈骨筋腱の間で脈拍を触れる。
深掌動脈弓
- 橈骨動脈の終枝。
- 尺骨動脈の枝(深掌枝)と吻合して出来る。
背側手根動脈網
- 橈骨動脈の枝(背側手根枝)と後骨間動脈(尺骨動脈の枝)が吻合して出来る。
尺骨動脈
- 肘窩で上腕動脈から分岐後、前腕の尺側を下行する。
- 尺側手根屈筋腱と浅指屈筋腱の間で脈拍を触れる。
総骨間動脈
- 尺骨動脈の近位部から分枝して前後の骨間動脈に分岐する。
- 橈骨動脈の枝と背側手根動脈網を構成する。
浅掌動脈弓
- 尺骨動脈の終枝
- 橈骨動脈の枝(浅掌枝)と吻合して出来る。
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